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サブカル大蔵経742鈴木健介編『地獄でヨーイ・ハイ!』(ワイズ出版)

Amazonプライムで観た中川信夫監督『地獄』に感動して、本書を取り寄せました。監督の代表作は『東海道四谷怪談』なのかもしれませんが、スタッフたちに『地獄』がとにかく愛されていて嬉しかったです。

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「新東宝」は、プロレス団体だと、何だったのだろうと思います。

国際か、パイオニア戦士か、W☆INGか。血まみれなのに、暖かくて、鋭い。

それにしても、どうやったら『地獄』のような作品ができてしまうのだろう。怪作というより名作だと思いました。

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社長の大蔵貢は地獄極楽のつもりだったが、中川信夫はラストに中川流天国をちょっと見せて、あとは地獄しか描かなかった。p.12

 『往生要集』と同じ比率。どうして人は極楽より地獄を求めるのか。逆にいったい極楽とは何なのか。地獄こそ私の居場所。

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あれが新東宝の最後のパワーアップでしたからね。p.22

怪優・沼田曜一インタビュー。老人ホームのどんちゃん騒ぎのシーンを指して。

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私は何でも撮影に入る前に仏壇に手を合わせて祈っていくわけ。斎戒沐浴の気持ちで行くわけ。/でも中川先生は/「俺は線香臭い女優というのは好きだよ」って。p.29

お岩さん役の若杉嘉津子インタビュー。〈女優〉と〈監督〉がいました。

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大丈夫ですよ、噛みつきませんよp.39

「東海道四谷怪談」でガチでヘビ嫌いの直助役の江見俊太郎にヘビを絡ませる。この辺も中川信夫はいいプロレスをしている。

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なぜか本の奥付けに中川信夫の墓碑!


…そして、現在、YouTubeでも『地獄』が観れるようです…。



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