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サブカル大蔵経 日本編

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2021年1月の記事一覧

サブカル大蔵経529『山田風太郎忍法帖短編全集9 忍法聖千姫』(ちくま文庫)

著名な歴史上の人物が登場する時代劇の中で、性にあらがう人を描き、哀しみまで活写。どうして…

永江雅邦
3年前
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サブカル大蔵経528舘浦あざらし『ぶぶまるくんのいい旅談話室』(海豹舎あざらし文庫)

たった一人で編集・発行する「北海道いい旅研究室」は、道内書店では常にベストセラー。実際に…

永江雅邦
3年前
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サブカル大蔵経526袖井林二郎『マッカーサーの二千日』(中公文庫)

日本に乗り込んだ時マッカーサーはすでに六十五歳。p.11 いっちょあがりの人生のはずが、本国…

永江雅邦
3年前
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サブカル大蔵経525松井浩『打撃の神髄榎本喜八伝』(講談社+α文庫)

イチローに勝てる唯一の存在、榎本喜八。ロッテの伝統の誇りであり、被害者。 榎本の目指した…

永江雅邦
3年前
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サブカル大蔵経524「BIRDER」2月号(文一総合出版)

カラス特集の表紙につられ初めて購入しました。特集内容も興味深かったのですが、初めて買った…

永江雅邦
3年前
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サブカル大蔵経523『宮沢賢治全集(10)』(ちくま文庫)

覗き見る、宮沢賢治曼陀羅。 ひらがな、カタカナ、アルファベット、数字、図画、漢文。 教師…

永江雅邦
3年前
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サブカル大蔵経522都築響一編『Neverland Diner』(ケンエレブックス)

百人が〈もう行けない店〉について語る。結局、知っている方の文章しか読めないもんですね…。 自分ならどこを書こうか夢想しました。子供の頃家族で行った焼肉屋、バスのラーメン屋、ドライブイン。学生の頃お世話になったたくさんの店、地元に帰ってから通ったモスバーガー、あれを超えるジンリッキーにいまだに出会えないバー、馬車やか。 【パリッコ】未知の酒場に入る前の無上のワクワク感。新しい飲みかたを思いついたときの異常な興奮。p.23  パリッコさんに代表して語ってもらえるときの安

サブカル大蔵経521豊福きこう『矢吹丈25戦19勝(19KO)5敗1分』(講談社文庫)

一昨年、『あしたのジョー』を読破しました。読み終えた後の高揚感と虚脱感。長編ゆえのさまざ…

永江雅邦
3年前
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サブカル大蔵経520竹村公太郎『日本史の謎は「地形」で解ける』(PHP文庫)

元官僚の日本各地の地理推理エッセイ。養老&荒俣が帯で絶賛。 「やっと長良川河口堰が問題に…

永江雅邦
3年前
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サブカル大蔵経519宮脇俊三『私の人生途中下車』(角川文庫)

宮脇俊三穴場本。ゴールした後の別冊サービス的な本というか。 編集者時代の話は、出版史、中…

永江雅邦
3年前
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サブカル大蔵経515東海林さだお『ガン入院オロオロ日記』(文春文庫)

『シウマイの丸かじり』で感じた心配の半年後に本書が出ました。著者の丸かじりシリーズと一緒…

永江雅邦
3年前
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サブカル大蔵経514東海林さだお『シウマイの丸かじり』(文春文庫)

綿菓子。あれは正当と不正のちょうどまん中のあたりのところを、うまいこと商売にしているとい…

永江雅邦
3年前
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サブカル大蔵経513東海林さだお『メンチカツの丸かじり』(文春文庫)

ハムカツとメンチカツとどちらが偉いか。ハムカツはコロモのところからハムがちょこっと顔をの…

永江雅邦
3年前
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サブカル大蔵経509笹原宏之『訓読みのはなし』(角川ソフィア文庫)

和語と漢字の関係に興味があります。その混合は、ハイブリッドかビビンパか。当時最先端の漢字・仏教は、今のIT・外来語と似ているのかも。 生活上にある和語と結合したことで、日本人は漢字を血肉化させた。p.12 外来語の漢字の中でお経がどう和語に解釈されてきたのか、解釈を放棄したのか、分岐点のような気がします。 なので、白川字書三部作では『字訓』が好きです。 本書も目から鱗のエピソード満載でした。 於新宿御苑、至新橋駅、含交通費といった漢文由来の表記が残っているp.22