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もう悩まずに済む!「献立」の極意


スーパー主婦、足立洋子さんに学ぶ家庭料理の極意

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毎日毎日おんなじメニューになってしまう。家族に「またあ?」と言われてしまう。
このように、毎日のごはんを何にするかを考えるのは、ほんとうに大変です。
「食事作りは頭で考えること(献立つくりが7割、手を動かすことは3割。献立が決まっていたら後は手を動かす3割だけでいいでしょう」というのは、いま「スーパー主婦」として大注目される足立洋子さん。著書『かんたんがおいしい!』(新潮社刊)は10万部という大ベストセラーに!「ラクはしたいけど、おいしいものが食べたいから」という足立さんの、簡単すぎておいしすぎる料理の秘密とは…


足立さんが“スーパー主婦”となった原点は、「全国友の会」(以後、友の会)にあります。

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友の会とは、日本初の女性ジャーナリストで教育者でもある羽仁もと子さん(写真上)の思想に共鳴した女性が集まり、1930年に創設された団体。
設立当初から合理的な家事のやり方、家庭運営の方法などを学びあい、会員数は2万人を超えます。出版社「婦人之友社」、学校法人「自由学園」は関連団体になります。


主婦目線で簡単に作れる料理や献立のヒントを紹介

足立さんは、友の会の中で会員が心を合わせてできることを始めようと、料理講習会を企画します。
「基本をおさえながらも主婦がパパッと簡単に作れる料理。私がすべきことは、それを伝えていくことだと思ったのです」。
友の会で学んだ「五法の表」「五味の表」というテクニックに加え、足立さんならではの主婦目線で考えられた献立や作り方、調理の工夫などが参加者の心をとらえ、受講者が増加。最近では、新米主婦や小学生向けなどターゲットを細分化したレッスンも開催しています。
「五法の表」「五味の表」とは、昭和初期に友の会メンバーの沢崎梅子さんにより考案され、友の会で伝承されてきた便利な表です。


主菜を決める時に役立つ「五法の表(主催表)」

「五法の表」は、献立のメイン料理を決めるときに役立つ方法です。メニューを決める時に、主菜は味付けや品目数で変化をつけようと思わずに、食材と5つの調理法の組み合わせのみ考えます。同じマス目に集中しないよう、散らしていくようにメニューを考えれば、自然とマンネリも防止できるようになります。

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1.用紙の縦列に「生・煮る・焼く炒める・揚げる・蒸す」、横列に「牛・
豚・鶏・魚」と書きこむ。

2.調理法と食材が交差する欄に、1週間分の献立を書き入れていくと食材をバランス良く摂れているか、一目で確認できます。

3.次に自分が作ることができるレパートリーで空欄を埋めていくと自分の弱点や穴が一目でわかります。

空欄を埋められるようにレパートリーを増やしていきましょう。

上の図は、五法の表の一例です。


副菜を決める時に役立つ「五味の表(副菜表)」

献立の副菜を決めるときには五味の表を利用します。
副菜は、名前のあるレシピでないといけないと思い込んでいると心の負担になります。
ゆでただけ、蒸しただけのシンプルな野菜に、たれやソースを効果的に添えるだけで、食卓が映える副菜になります。

1.用紙の縦列に「しょう油・塩・酢・みそ・砂糖/みりん」
横列に「豆類・青菜・いも・その他野菜・海藻/乾物」と書きこむ。

2.調味料と食材が交差する欄を作れるレシピで埋めていく。

→作れるレシピが整理されて、献立を考える時間が短縮できます。

これらの表を自分流にアレンジして、手持ちのレシピを増やしましょう。
1週間分が難しければ3日分、せめて次の夜の分など、その場になってではなく事前に献立を考えることで、考える時間も食材もムダにせず効率的に使えるのです。


献立の基本は一汁三菜

基本は一汁三菜の5品です。

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・主食 ごはん
・主菜 (肉・魚・卵・豆腐大豆製品)
・副菜1(野菜・きのこ・いも・海藻etc)
・副菜2
・汁物
(果物・牛乳・乳製品も忘れずに)

日によっては一汁二菜だったり、付け合せ多めで一汁四菜だったり五菜だったり。
まずは主菜(メイン)を決めてから、味や調理方法、食材、食感がかぶらないように副菜を決めます。


【主菜の決め方】

・前日と被らないようメイン食材を決める。
・3日や1週間分まとめて献立を立てる人はルーティン化する。
・簡単な例だと肉、魚、肉、魚…と1日おきに。
・3日献立の場合、「豚・鶏・魚」「豚・鶏・魚」と3日ずつ回し、残り1日は残り物を使う。
・1週間献立なら週7日のうち、肉メイン3日、魚メイン3日、卵メイン1日、
・もしくは肉4日(牛肉、豚肉、鶏肉、ミンチ)、魚2日、一品物1日(カレー・丼・麺)など。
・忙しい人は丼物の日、麺ものの日、鍋物の日などカンタン献立の日を増やす。
・週末に一度、残り物食材で在庫一掃する(リセット)。
・週末はカレーやシチューにし、土曜の昼に残り物、もしくはカレーうどん、ドリアなどアレンジする。
・日持ちしなさそうな食材があれば優先的に献立に取り入れる。(もやしなど)
・生ゴミの日の前日を魚の日にする。

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【副菜の決め方】

副菜1は味の濃いもの…キンピラ・野菜炒め・キノコのソテー・ひじきの煮物・かぼちゃの煮つけなど
副菜2は味の薄いもの…冷奴、おひたし、和え物、酢の物、サラダ、キャベツの千切り、トマト、ブロッコリーなど


副菜の決め方のコツ

・メインがこってりした献立の場合、副菜1,2ともサッパリものにすることも。
・メインが野菜炒めや八宝菜など肉+野菜料理の場合、副菜1は省くことがあります。(一汁二菜)
・食材、味付け、調理方法、食感がかぶらないように副菜を選ぶ。
・一方の副菜は冷たいもの(冷めてもいいもの)にすると楽
・一方の副菜は手を加えずそのまま出せるものだと楽(冷奴、もずく、納豆)
・ご飯が進む一品があるといい(煮物、汁物や、納豆、漬物、ふりかけなどでも可)
・タレやソースを活用すると献立の幅が広がる・鰹節、ゴマ、海苔をかけることで栄養バランスを整える
・常備菜を作っておくと便利 ・忙しい日は惣菜を買ってもいい。 ・缶詰やレトルトも活用する。


【汁物】

・汁物は塩分過多になるので毎回つけなくてもいい。一日1杯、多くても2杯まで。
・物足りない時や、栄養的に不足気味だな、と感じられた時にプラスする。
・小振りの汁椀に代えたり、量を半分に減らすなどの工夫をする。


【献立を立てる上での注意点】

■全体の栄養バランスを考えて献立を立てましょう。
ここからこだわり出すと献立が決まらなくなるので、とりあえず作ってみて慣れてきてからバランスがとれているか確認→足りないものを足すなど修正していった方がよいと思います。


・「まごわやさしい」をバランス良く摂る

「ま=まめ」「ご=ごま」「わ=わかめ」「や=やさい」「さ=さかな」「し=しいたけ」「い=いも」

・献立に黄・黒・白・緑・赤の5色を取り入れる

赤 牛肉・豚肉、赤身の魚、赤色野菜(トマト・ピーマン)

黄 かぼちゃ、とうもろこし、卵黄

緑 葉物野菜

白 穀類(ごはん・パン・麺)、鶏肉、白身の魚、魚介類(イカ・ホタテ)、豆腐

黒 海藻類(もずく・のり)、きのこ類

・いろいろな色の野菜を使う

緑 (ビタミンとミネラル):ほうれん草、小松菜、ブロッコリー

黄 (食物繊維が豊富):とうもろこし、かぼちゃ

紫 (アントシアニン抗酸化):ナス   白 (ビタミンC、抗酸化):だいこん、たまねぎ、とうがん

■味付けがかぶらないように献立を立てる
・メインがさばの味噌煮ならみそ汁をやめて吸い物に ・汁物をみそ汁にしたいならメインをさばの塩焼きに

■家庭料理だからこそできる組み合わせを楽しむ。
例えば、メインが和食の時でも汁物がみそ汁ではなくてコーンスープにしたり、魚のムニエルのような洋食の時に副菜がサラダでなくて煮豆でも良いのです。

我が家の「五法の表」「五味の表」をつくりましょう!

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