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カメラを持ったら、世界が変わった。

「カメラを始めたら、世界が変わりました」

ありきたりな表現。
写真を撮ってる人たちが言いそうな台詞ナンバーワンって感じだけど、本当にその通りなのだ。


私が写真を撮り始めたのは3年前。

何がきっかけだったのかは正直分からないけど、気が付いたときには「写真を撮りたい」と思っていた。
そう思うまでに特別心惹かれる衝撃的な作品に出会ったわけでもなく、好きな写真家がいたわけでもないが、写真を撮りたいという欲は増す一方で。

大学を出て間もない私には、カメラという高級品を買う余裕なんかあるわけもなく、「いつか買えたらいいな」とカタログを眺めるばかりだった。


そんなとき、兄が誕生日にカメラをプレゼントしてくれた。
NikonのA900。当時のNikonのコンデジの中では最新機器だったろうか。

デジカメといえど、小学校の修学旅行で使った写ルンですぶりに「自分のカメラ」のいうもを手にし、心が踊った。


プレゼントされた翌日、さっそく家族で写真を撮りに出かけた。
使い方もよく分かっていないし、全然上手には撮れなかったけど、カメラ越しに見る家族の後ろ姿がいつもよりずっと温かく感じた。


写真の魅力にハマった私は、その後間もなくして一眼レフを手にした。

初めてファインダーを覗いて、ピントリングを回した時の感動が忘れられない。

ぼんやりとしていた世界が少しづつ鮮明になっていく。
まるで知らない世界に迷い込んだようで、肉眼では見えないものも、カメラ越しにならなんでも見えてしまいそうな感覚。世界はこんなにも素敵なもので溢れていたのか。


それまで完全なるインドア派で、これといった趣味もなく休みの日は寝るか飲みに行くかしかなかった私の世界が変わった。

日常に転がっている幸せな瞬間を探しに、なんでもない道を散歩するのが楽しくて。
まだ見たことのない景色を探しにもっともっと遠くに行きたくて。

人生なんて辛いことだらけだし、なるべく早く終わらせたいと思っていたけど、今はそうは思わない。

時間の許す限り、素敵な日常や言葉が出ないほどの絶景に触れてみたい。
行ったことのない場所にたくさん行きたいし、好きな場所には何度だって行きたい。

私が知らなかった私を、カメラが、写真が教えてくれた。

これからも相棒を連れて、何気ない日常も特別な景色も、たくさん探しに行こう。

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