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私が唯一続けられなかった「ライバー」という活動。

私は、基本的に努力・継続に強い苦手意識はありません。

100%やり遂げられるかと聞かれれば、私も人間なのでそうとは限らないけど、「ここまではやる!」と決めたことは大抵頑張れます。

そんな私が唯一やり遂げられなかった、継続できなかったこと。

それが「ライバー」としての活動でした。

少なくとも1年間は頑張りたいと思っていたライバーを早々に引退して半年、もうそろそろ時効かな……と思い、辞めちゃった理由とか、ライバーをやっているときに感じていたことなんかを話してみようと思います。

■どこで配信していたのか

私は大手ライブ配信アプリ「ワンセブンライブ(旧イチナナライブ)」で、認証ライバーとして配信をしていました。

それまでもTwitterやYouTubeライブでトロンボーンの演奏配信をしており、いくつかのライバー事務所からスカウトをもらっていたのですが、どこもピンと来ず、結局自分で合いそうな事務所を探して門を叩き、2021年6月に晴れてライバーデビュー。

6月〜9月頃まではほぼ毎日配信していました。


■なんで辞めたのか

もうシンプルに、ライバーという活動自体が自分にまったく合っていなかったわけですが、なにがどう合っていなかったのか暴露しちゃいます。

共感できちゃう人は、ライバー向いてないかも。


■配信という世界は、社会の縮図

ライバーとして勝ち上がるには、ただ毎日配信する、ただ頑張るだけではなく、平たくいってしまえば「根回し」みたいなものも必要なんですよ。

まず、ファンを付けたければ、アプリ内で開催されるイベントに積極的に参加してランキング上位を目指さないといけません。

そして「〇月から新人イベントでます〜!応援してね〜!」という告知をあらゆる場所で行い、イベント期間中はリスナーさんだけでなく、ライバー同士でも助け合いが必要です。

仲良しのライバーさんがイベントに出ていれば応援に駆けつけ、自分の応援に来てくれたライバーさんへはお礼の挨拶回りに行き……。

なんかね、もう、選挙に出馬でもしてるんですか?!っていう状態なんです。

そんなこんなで、自分が配信していない時間でもずっとアプリをつけてたくさんの枠を周り、1日中イチナナのことを考えていないといけない状態でした。

最初の数ヶ月は頑張っていたものの、「こんな小さいスマホの中に"社会"が詰まっているなんて……」と次第に疲れてしまった。正直これが一番大きいです。

■ライバー、意外と自由じゃない

ライバー事務所や配信アプリの売り文句として「スキマ時間で楽しく配信!」というのを見かけますが、いざやってみると、全っ然スキマ時間なんかでできる代物ではないです。

週に数回1時間程度しか配信しないのではリスナーはつかないし、毎日決まった時間帯にそれなりにまとまった時間をとって配信しないと、誰にも見てもらえません。テレビ番組が世間に浸透するのと同じです。

ニュースZEROが毎晩やっているのを皆が知っているように、「毎日21時からはみきてぃの配信だ〜!」と覚えてもらえないと、固定のリスナーはつかないのです。

また、テレビの番組表と同じように、「今週はこの日のこの時間に配信します!」と、配信予定を公開する必要もあります。

どちらも義務ではないけど、ライバーとして大成したければ、欠かせない努力です。

正直これが本っ当にしんどかった。

というのも、私ってそもそも結構なフッ軽人間なんですよ。

「今日はなんか飲みにいきたい気分」とか「星がキレイだから今夜は写真撮りに行くか〜!」とか、気分でコロコロ予定を変えます。

でもね、リスナーさんに「今日も21時から配信するよ」と約束してしまっている手前「飲みに行くから中止しますわ」とはとても言えなかったんです。

こんなしょっぼい私の配信でも、毎回見に来てくれて応援してくれているリスナーさんとの約束は、そう簡単に破ってはいけない。

変に真面目な一面があるせいで、「毎日フッ軽に生きたい」と「リスナーとの約束を守りたい」は共存できませんでした。

■プライベートがボロボロになった

ほぼ毎日仕事から帰って、配信をつける。

「〇時から配信するね!」を守るために、あまりにも色々なものを犠牲にし過ぎてしまいました。

会社から帰ると、配信時間に間に合わせるためテキトーなご飯を急いでかき込み、一緒に住んでいる彼とゆっくり話しながら食べることはできない。

そして、ろくにウォームアップもせず、配信をつけてトロンボーンを吹き始める。

配信が終わったあとも、タイムライン投稿やお礼の枠回りをしているとなかなか寝られない。

そうこうしているうちに、翌日も仕事のある彼は寝てしまうので(そして私も翌日仕事)、コミュニケーションの時間はどんどん減っていきました。

それについて彼から怒られたことはなかったけど、「これでいいのか」感が否めなかったし、ついには自分のトロンボーンの練習時間もうまく確保できなくなり……。

「このままでは色々と終わる」と危機感を覚え、ライバーを引退したわけです。

■とはいっても、楽しい時間だった。

なんだか暗い話ばかりになってしまいましたが、ライバーとしての活動は本当に楽しいこともたくさんありました。

新人イベントに出たときは目標スコアに向けて皆が本気で応援してくれたり、トロンボーンの演奏をいつも楽しみに聞いてくれたり。

私がライバーとプライベートのバランスが上手くいっていないことも気付かれていたのか、「みきてぃ、無理したらあかんよ」「マイペースにね」と心配してくれたリスナーさんもいました。

毎日欠かさず通ってお話をしてくれたリスナーさんもいて、こんな私のために時間を使ってくれる人がいるという事実が、本当に嬉しかったです。

引退した今でもTwitterなどのSNSを通して、ずっと仲良くしてくれている人もいます。

そう考えるとライバーとしての経験は決してムダではなかったし、ライバーになったことに後悔はありません。

いつかもっとラフに配信を楽しめる心と時間の余裕ができたら、またやってみたいなって思ったりもしています。

以上、私が唯一継続できなかった「ライバー」と話でした。

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