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何が正義で何が悪なのか?ロシア・ウクライナの問題をまとめてみた。※個人的な思い出含む。

ロシアには2018年サッカーW杯の観戦のために、モスクワを起点にレンタカーで車旅をした思い出がある。
モスクワからスタートし、ぐるっと2400km(鹿児島~北海道ぐらい)の旅だった。

ビザなしで世界中を観光できる日本人にとってロシアは数少ないビザ取得が必要な国であるということと、どこか陰鬱な共産主義国家というイメージもあり近寄りがたい国だという印象を持っていると思う。

確かに寡黙な人が多い印象はあった。
一方で、あまり外国人と触れ合う機会が少ないためか距離感のつめ方が独特というか、一見怖そうに見えて優しかったり、仲良くなったら親友のように接してくれる人もいた。家族を愛する優しい心を持っているが、車に乗ったら時速200kmで爆走するような荒々しさを持っている。
人々は素朴で純粋で、少し懐かしいような気持ちがして居心地はそれほど悪くなかった。

そして知人を訪ねてモスクワからベラルーシ経由でウクライナのキエフにも2週間ぐらい滞在した。美しい女性だけでなく街並みや建造物も素晴らしかった。

親ロシア派のヤヌコビッチ大統領が失脚することになった2014年のウクライナ騒乱の中心地マイダン広場にも足を運んだ。※写真は夜のマイダン広場の噴水

ウクライナといえばチェルノブイリぐらいしか知識がなく、そんな最近に情勢が一変するような出来事があったことは恥ずかしながら知らなかった。

そういった縁もあり、2022年2月末現在のロシア・ウクライナで起こっている問題を自分なりに整理しておきたいと思うに至る。

まず前提として、日本はいわゆる欧米を含む西側諸国に該当する国であるため、流れてくる情報は西側寄りのものに偏っているという実情がある。

感情論になるべく振り回されることのないよう、事実を多角的に集めたいと思った。ただロシア側の情報が圧倒的に少ないため、えこひいきと感じてしまう面があることはご理解いただきたい。

西側諸国の主張を完結にまとめると以下のようなものだ。
ロシアは国連安保理の決議案を拒否し、一方的にウクライナへ軍事侵略をしかけ、軍事施設の空爆のみならず民間人を巻き込み人々を恐怖に陥れている。そういった独裁国家には制裁を加え、世界から孤立させなければならない。

一方ロシアの動きを時系列でまとめると以下のようなものになる。
ウクライナは元々ソ連時代ロシアの一部であった。1991年のソ連解体以降の民主化に伴って、ロシアの国有資産が外国に奪われてしまっている。
2014年のウクライナ騒乱を機にウクライナが西側諸国に組み込まれそうになっている。同年、親米に変わったウクライナ軍が親ロシア派ウクライナ人が多く住む東部ドンバス地方を侵攻し、ジェノサイドを起こした。
2015年にはミンスク合意によりドネツク・ルガンスクに半自治権と独自の警察を持たせ、停戦をするはずだったウクライナ軍はそれを履行しなかった。そして2022年2月ロシアはドネツクとルガンスク両共和国を独立国家として一方的に承認。ロシア系住民を保護するためロシア軍が侵攻し、ドンバス戦争は一瞬で終了。キエフにも軍事侵攻を行う。

ロシアとしてはウクライナを軍産複合体を基本としたアメリカから切り離し、中立化・非武装化を実現したいと主張している。

ウクライナの人々がロシアの一方的な圧力による政権奪取をよしとせず、国家として自立していきたいと思うのは当然だろう。
だが、ウクライナ軍とロシア軍が戦ったところでウクライナ軍単独では勝ち目はなく、アメリカを中心としたNATO軍による援助もなされていない。

西側諸国はこのロシアの軍事侵攻に対して、SWIFT停止の措置を検討しているが、ドイツなど欧州を中心にガス価格は高騰し最悪の場合停電や工場閉鎖といった市民生活に影響が出てしまう可能性がある。※SWIFTについては以下を参照ください。

以上簡単にまとめてみたが、関わる全ての発信者の"意図"や"立場"や"思惑"によって解釈が変わり、場合によっては事実がねじ曲がってしまうこともあるだろう。
絶対的にどちらの立場が正しい、間違っていると決めることは不可能なんじゃないかと感じている。
避けたいのは無防備に恐怖や不安の感情を煽られることで脳が情動優位になり、思考停止して過激思想に傾いてしまうことだ。

ロシアが軍事侵攻によりウクライナの民間人が犠牲になっているなら、許されない行為であることは間違いない。

一方で、盲目的にロシアだけを悪者とみなし勧善懲悪を声高に掲げるのもどうかなと思ってしまう。

戦争の反対は"平和"ではなく"対話"だ。つまり武力による解決なのか話し合いによる解決なのかだ。

ロシアを戦争に追い込んだ原因はなんだろうか。
それともプーチンはただの狂人なのだろうか。

この事件は私たちにとっても対岸の火事ではないのだろうが、複雑に絡まる思惑に振り回されて大切な時間を失うことは本意ではない。
こういった出来事があると、少しでも世界をより良いものにするために自分が今やれることはなんだろうかという気持ちが湧いてくる。

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