#4 教育の「ベストミックス」とは

#1で「GIGAスクール構想」について考えました。

ここでの結論は、
「紙」と「ICT」のいいとこどり
としましたが、

文科省のリーフレットにもこのようなことがまとめられています。

GIGAスクール構想
☑️1人1台端末と、高速大容量の通信ネットワークを一体的に整備することで、特別な支援 を必要とする子供を含め、多様な子供たちを誰一人取り残すことなく、公正に個別最適化さ れ、資質・能力が一層確実に育成できる教育環境を実現する
☑️これまでの我が国の教育実践と最先端のICTのベストミックスを図ることにより、教師・児童生徒の力を最大限に引き出す

https://www.mext.go.jp/content/20200625-mxt_syoto01-000003278_1.pdf

「ベストミックス」を図る…
これが難しい。

「ベストミックス」とは

この「ベストミックス」という言葉に対して、あたかも当たり前のように使われているのですが、実はこの言葉、日本独自の考え方のようです。

いわゆる「和製英語」のようです。

環境用語として使われることが多い、この「ベストミックス」。
goo辞書によると、

複数の手段を組み合わせて最も効率的な解決策を得ること。電力・エネルギー分野では、電力を安定的に供給するために、火力・水力・原子力などの発電方式を最適なバランスで組み合わせることをいう。

goo辞書『ベストミックス(best mix) とは? 意味・使い方』より
https://dictionary.goo.ne.jp/word/ベストミックス/

とのことです。
気になるのは「最も効率的な解決策を得る」とあることです。
「エネルギー供給」の「安定」のために「効率的」な「バランス」を求めるための用語のようです。

教育の「ベストミックス」


この「ベストミックス」を教師目線に置き換えると、

「教育」の「安定」のために「効率的」な「バランス」を求める。

ということでしょうか。

そもそも日本における「教育」は「教育者」と「被教育者」の関係、つまり「教師」と「生徒」の関係があり、ユニークな「教師」「生徒」が存在します。

「みんなちがって みんないい」
と有名な一節がありますが、一人ひとり考え方や性質は違います。
出会う教師、生徒によって「教育」が変わるはずです。

対して、「エネルギー」は、その触媒、媒介、生成方法が同じであれば、同じ量と質の「エネルギー」が得られるはずです。もっというと、出来上がる「エネルギー」の量と質は違えど「エネルギー」は「エネルギー」。「もの」は一緒です。

しかし、「教育」ではそうはいかない。

だって、「みんなちがって」いるからです。

それぞれが得られる「もの」は異なってきます。
同じ「もの」に近づけられるように「学習指導要領」が定められているわけですね。

ということは、「ベストミックス」と言えど、「これまでの教育実践」:「ICT活用」の比率が、100:0でもいいはずなんです。
それがその人にとって一番「安定」して「効率的」なのであれば。

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