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#2 教師の転勤①

「教師」

教育公務員として働いて7年目。
まだまだ「若手」と呼ばれる経験年数であるようです。

教職において重要とされるのは、知識や技術の習得だけではなく、教育者としての熱意や人間性も求められる。職務上、重視すべきなのは、一人ひとりの生徒を見つめ、あらゆるサポートを提供すること。

しかし、教育公務員が直面する道である、「転勤」は、どれだけその学校で頑張っていようと、転勤対象者となれば、本当に特別な事情がない限りその決定は覆らない。

先輩教師、とりわけ転勤経験済みの教師によく言われるのがこれです。

「転勤は職場が変わるだけじゃなくて、『転職』と思った方がいい」

教職経験年数=勤務校在籍年数

先ほども述べましたが、「7年目」という教職経験年数の私は、現勤務校の在籍年数も「7年目」です。

同時期の教師は、転勤を経験していてもおかしくない時期。
転勤の経験は、長い教職人生で重要な経験であるのは一目瞭然です。

私の所属している自治体では、初任者で転勤の対象となるのは、その学校で原則4年目の教職員であると定められています。
実際、私は「4年目」となった年に

「転勤する時期か…。ドキドキするな。」

と考えていました。
しかし、転勤することはありませんでした。
一応、人事調書の転勤希望の欄は空白。
つまり、「おまかせ」で出しています。

転勤対象者となってから毎年度末の管理職との面談時に言われることが

「いつ転勤になってもおかしくない時期です。」

ということ。

それぞれの学校の管理職が転勤者を決定するのではなく、もっと上の教育委員会が人事を司っているのは周知の事実ですが、誰をいつ転勤させるのかを決めているのかは、平の教師にとっては見えない部分。

転勤に対して、どちらかというとポジティブな私は、「いつでもどうぞ」という姿勢を保っていました。

現実は、自分よりも後に来た初任者がどんどん転勤になっていく。
きっとそれぞれの事情や希望があっての決定なのでしょう。

ある年の人事面談で管理職が私に言いました。

「いつ誰が転勤するのかは、私にはわからないけど、学校の現状によっては、管理職としてある程度の希望は出せるんだよ。例えば、学年主任だとか分掌長だとかになる人が突然転勤になったら学校が困るからね」

この発言の裏にあるのはきっとこういうことなのではないだろうか。

その学校にいなくてもいい教師が転勤する


つまり、私は必要とされている?
喜んでいいのか?


いやいや、そんなわけはない。
転勤経験者からすれば喜ばしいことなのでしょうが、初任者にとってはいいことよりも、デメリットのほうが大きいのです。

続きます


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