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2021年3月27日(土) kobore"HARU ICHIBAN TOUR 2021" @TSUTAYA O-EAST

渋谷TSUTAYA O-EASTに敷き詰められたパイプ椅子。自粛期間が開けた今、ひとつ飛ばしの椅子では無いこの光景に懐かしさすら感じる。

この渦中でツアーを回ったバンドは、どこも逆境を糧に大きくなっている印象を受ける。koboreも、その内の1つだった。

たけるくんが右手を上げ、始まった「声」。ピンスポに当てられ1人で歌う。始まりからゾワッとした。全員に白い照明が当たり、視界が眩しくなってメンバーのシルエットが映る。

自分の中で、koboreをここまで大きな箱で見たことがなかったからか、ステージ構成から今日は今までと違うものになると確信した。また、後から振り返って気づいたが、今日の照明はとても良かった。

「勝つために戦ってんじゃねぇ、負けねぇために戦ってんだ。」
ツアーを経てひと回りもふた周りも大きくなっていたkobore。

あるライブハウスの人にもっと自分の曲を好きになれと言われた。もう好きだよコノヤロウと思っていたが間違っていたことに気づいた。と言っていた。

自分の曲を好きでいることの何が間違いだったのだろう。

好きな曲ができたら、聞かなくなる曲が出てくる。でも俺らは今も昔作った曲を歌っている。
と。

確かに、私も好きな曲を歌わなくなった好きなバンドは、好きだったバンドに変わっていった過去を実際に持っている。

あくまでも人は色んなものに感化され、新しいものを生み出していくという立場上、変わらないものを作り続けるというのは(仕事として多面的に捉えた結果)実に難しいことであると、理解しているつもりではある。

ただ、koboreにはそれがないのだ。
今も尚、昔の歌を歌っているから。歌い続けたいという意思の元、歌っているから。
たけるくんにとって、koboreの曲は今も昔も変わらない、変わらず歌えている今に感謝している、そう言っていた。(日本コロムビアの運営様々である、、、)

なので、きっとこれからも「幸せ」や「テレキャスター」を歌い続けてくれるだろうし、その度に更新されていく曲を、きっと目撃することが出来るだろうと信じている。

突然個人的な話にはなるが、今日の「幸せ」「君にとって」の流れが好きすぎて好きすぎて、それはもう歌詞が刺さる。ずーーーっと泣きっぱなし。

「あなたにとって幸せはなんですか?」「あなたには笑ってくれる人が何人いますか、あなたには泣いてくれる人が何人いますか」という歌詞。koboreを聴く上で、絶対に外せないポイントだと私は思っている。

それが繋がってきたものだから涙のダムは決壊だ。仕事が忙しく、上手くいかないことが多いと感じていた最近。そこにこの歌詞はもうボクシングで言ったらノックアウトと言うやつ。K.O。というか、koboreを見るタイミングは何かしら悩みを抱えている時が多い。

そこで幸せとは何かを考えた時に、思い浮かんだものを大切にしたい、毎回そう考えている。具体的には言わないが。笑

また、2019年→2020年のジャッジメントで見た時、「幸せ」「爆音の鳴る場所で」で号泣していた私だが、その時一緒に見ていた友達と今日また一緒に見ていたことも、ひとつ感慨深い。

そんなこんなで本編の最後。ギターをかき鳴らす音、ベースのメンバーを支え後押しする音、ドラムの重低音とシンバルが心臓に響く。それも、とても力強く。全身全霊で。それぞれの音を表現していた彼らを見ていた私の目には、気づいたら涙が流れていた。
歌詞がない部分に心動かされる機会自体、ほぼない自分に。それくらい、圧倒される一瞬だった。

私の気のせいかもしれないが、彼らは自分らの曲を今まで以上に楽しそうに弾いていた。今まで以上にアレンジが加わり、彼らの曲がさらに磨きがかかっていたように感じた。
会場だけの内緒話の時に安藤さんが「ちゃんと続けたらこんなに上手くなるんだね。」と言っていた。5年経ってもなお、変わらず、「4人で良かった、いや、4人が良かった」そう照れくさそうに言うたけるくんには、メンバーも嬉しそうだったし、今も尚、同じ仲間と変わらず音楽をやれているこの事実が彼らをより強くさせ続けているのかもしれない。

現状のライブハウスに対して言及することはあまり無かったが、続けることの難しさを感じると共に、続けられている今に感謝する場面があった。
声を大にして、今ここにいるあなたに向けて、一人一人の目を見て離そうとするたけるくんを見ていると、本当に頭が上がらない。隅々まで目を配っているのを、どんなステージでも目にする。そんな姿を見て、私には、たけるくんよりも一人一人に向き合い、熱を感じるバンドマンは他に居ない、そう感じた気がした。

数える程しか見たことは無いが、MCの緩さも相変わらず、観客の受けを気にすることも相変わらず。
「ここウケるはずだったんだけどな〜」と、MCにもボケを突っ込んでくる姿はこれからも続けて欲しいな、なんて。笑

メジャーになっても、インディーズ時と変わらず、明日よりも今この時を大切にするkoboreを見て、たけるくんの言葉を聞いて、今の自分を大きく変化させる、そんな日になった。

また、次があるから、約束があるから「バイバイ」ではなく、「またね」と言える。そんな日々を大切に。

どんな面も含め、今後もなお、変わらず大きくなっていくkobore。アンコールの締め、「爆音の鳴る場所で」で改めて、先頭を走っていくバンドになる、そう感じた。

そして、彼らを"また"目撃できる日を楽しみにしたい。



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