最寄りの川


普通に過ごしていると苦しくなる星に、普通は存在しない、酸素を欲した魚が、雨雲に捕まって死んでいく。もし生まれ直せるなら、存在しない言葉があるだろう、今日の風だけが、私が行くべき場所に行ったことがあるらしい、現実にだけある運命が、バカにしたように川の流れをはやくする。置いていく、置いていかれる。

足元の水が淀んでいる、連れて行けと纏わりつく、言い方がわからなかった、大多数の人にはどうでも良いようなこだわりに、大きな灰色に気持ち悪く割り込んでくる、所在なさげな小さな傘、去り方の正義が現れて、別れ方がわからなくなった人の顔をしていた。

正しいのは諦めた人なはずだったのに。
消えていった気持ちや人は、別の星で幸せになっただろうか、ずっと先でまた会いたい、その時に発するべき言葉を、風の音が覚えているはずだから。


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好きと言われた、そんな感じ。