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「人間万事塞翁が馬」(04)

人間万事塞翁が馬(にんげん(じんかん)ばんじさいおうがうま)」ということわざは、悪いことが起きたように見えても、後でそれが良い結果になることがあるという意味です。このことわざは、次のような話から来ています。

 昔、中国に塞翁という名前のおじいさんがいました。ある日、おじいさんの馬が逃げてしまいました。村人たちは「それは大変だ」と言いましたが、おじいさんは「悪いことが良いことに変わることもあるさ」と答えました。

 しばらくすると、その逃げた馬が戻ってきただけでなく、他の馬も連れてきました。村人たちは「良かったですね」と言いましたが、おじいさんは「良いことが悪いことに変わることもあるさ」と答えました。

 その後、おじいさんの息子がその馬に乗っていて、落ちて足を折ってしまいました。村人たちは「それは大変だ」と言いましたが、おじいさんは「悪いことが良いことに変わることもあるさ」と答えました。

 そして、しばらくして戦争が始まりました。村の若い男たちはみんな戦争に行かなければならなかったのですが、おじいさんの息子は足を折っていたので行かずに済みました。結果として、おじいさんの息子は無事でした。

 この話は、「悪いことが起きても、それが必ずしも悪い結果になるわけではない。逆に良いことが起きても、それが必ずしも良い結果になるわけではない」ということを教えてくれます。だから、何か悪いことが起きたときもあまり悲観的にならず、良いことが起きたときも油断せず、冷静に受け止めることが大切だという意味です。


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