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勝手に読後レビュー【彼女が最後に見たものは】相関図、欲しかったかも・・・。

どうも、みことのは です。先日、第1弾を読ませて頂き、読後レビューを書かせて頂きました まさきとしか先生のミステリー小説。

飄々として何を考えているのかわからない&教えてもくれないが、その特殊能力も相まって、本質を見抜く主人公?三ツ矢刑事と、まるで三ツ矢に恋い焦がれている様な描写を見せるもうひとりの主人公?田所刑事。三ツ矢&田所のペアで描くミステリー小説第2弾。

個人的な印象としては、いつか恋愛スピンオフ作品でも発表されるんじゃないかってくらいヤキモキ感を醸し出すコンビです(笑)

ただ、小説の内容は今回も割と重めでした。
帯コメント、大袈裟だとは思いますが(笑)
※以下、個人的な感想ですので、予めご了承くださいませ。


1,小説(読み物)としての感想


本作を読んで感じたのは、【登場人物がどんどん増えてきて、わかりにくい】でした・・・。しかも、その登場人物が【翼を生やした堕天使】とか【元勇者の双子巨漢】みたいなイメージしやすい特徴的なキャラクターではなく(笑)、主婦やサラリーマン夫婦が主体なので、何度も読み返したり、わからなくなったりしました。

基本的に、冒頭に登場人物一覧や見取り図を載せている小説は、【覚えること多いなぁ】と最初から気が重くなってしまうので好きじゃないのですが、今回ばかりは相関図とか欲しかったですね。

2,没入ポイント


前述しました通り、登場人物が似通っていてわかりにくく、それに加えて全30章、毎回ほぼ違う誰かの視点に変わるので、頭の切り替えが大変でした。

よって、これと言った没入ポイントはなく、
全編通してずっと没入度は40〜70%です。

章が切り変われば、また主人公目線が変わるので、一旦30〜40%程度に落ちて、とはいえ話は面白いのでどんどん引き込まれて70%程度まで上がり、また章が変わって違う誰かの視点になります。

私の記憶力の問題かもしれませんが、お話の面白さやザッピングの楽しみよりも【話を理解しよう】と冷静な自分に戻されるのがしんどかったですね。
だんだん登場人物もわかるようになってきますが、今度はその方々のバックボーンや悩みを思い出さないといけないので、これまたひと苦労。

3,物語としての感想


冒頭でも書きましたが、結構重いお話です。ですが、それでいて最後は一本心の通った強い意志に支えられたハッピー?エンドを感じられました。

誰もが持つ見にくい心情・感情というものを、登場人物がほぼ全員持っています。それがそれぞれ違って、読むうちにいろんな登場人物の【闇】や【醜さ】を全部少しずつ理解できる自分もいました。

『自分は悪くない』、『アイツのせいだ!』という理不尽。
誰かと比べて羨んで妬んで、【自分だって本当はもっと幸せなはずだったのに】とタラレバの言い訳で、他人を憎む。いろんな理由をつけて駄目な自分を正当化する。

人間が大切にし、時に悩む4大要素である【健康】、【名誉・野心】、【人間関係】、【お金】が絡みます。

自分が求める幸せは?
これから先、幸せになれるのか?
他人から見たら幸せに見えるのか?
他人から幸せに見えればよいのか?

本当にいろいろ考えさせられます。ミステリー小説というより、死生観をも考えさせられるお話だなぁと思いました。

なので、帯コメントがどれほど大袈裟でもあんまりに気になりませんでした。謎解き?トリック?そういう話じゃないと自分は感じましたので。

ご興味あれば、ご一読ください。
では、また。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

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