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勝手に読後レビュー【方舟】〜全て手のひらの上〜

どうも、みことのは です。
このミステリーがすごい2023が発表され、見事第1位に輝いた【爆弾】を先日読了しましたが、そこから続けて第4位の【方舟】を読みました。

どちらもさすがに受賞作!どちらもかなり分厚いページ数なのですが、スルスルスルスルっっと読めてしまいました(笑)

【爆弾】とはまた趣きも内容も全く違う作品、【方舟】。その面白さを、なるべくネタバレせずにお伝えできればと思いますが、ストーリーや流れに触れたりもしますので、その点はご容赦くださいませ。

では・・・。


1、感想① わかり易く無い導入


この【方舟】、最初没入するための壁が高いと感じました・・・個人的にですが(汗)

というのも、登場人物10名を覚えないといけない。
しかも、今回の舞台となる地下施設、通称【方舟】の構造を理解しないといけない、そしてその構造から制限される【暗黙のルール】も理解しないといけない。

誰がどんな人間なのか?どんな性格なのか?どんな見た目なのか?それをまず頭に浮かべられるようにしておかないといけません。

そして、今作の舞台がどんな場所なのか、頭の中にイメージできるようにしておかないといけません。

いわば、このミステリーを100%楽しむための準備運動。
・・・これが、本当に苦手(汗)。

ですが、この最初の注射を我慢すれば、あとはズズズーっと一気に引き込まれます!!!


2、感想② どこまでもつきまとう【トロッコ問題】


今作【方舟】は、簡単に説明すると、クローズドサークル系のミステリーです。連絡不可能、脱出不可能な空間の中で、誰が犯人かを探っていくミステリーになります。

そこで、今回の作品の軸となるのが、通称【トロッコ問題】。
自分が線路の切り替えをするかしないかを迫られるお話です。


誰を犠牲にするのか、それを選ぶのは自分自身。正義とは?正しさとは?そういう事を極限状態の中で、ずっと考えさせられる作品です。

・・・ただし、それを青く考えている隣で、別の誰かはリアルに、自分自身が生き抜くことを考えています。

ずっと張り詰めたまま進むストーリー。
本当に目が離せなくなります。

3、感想③ 物語の反転が最後に見せるは、とてつもない恐怖。


物語も半分以上進めば、誰がどんなイメージでどんな性格で、方舟という施設がどんな構造なのか、頭の中に浮かんでいると思います。

だからこそ、最後の最後に見せる【どんでん返し】は、本当に怖い!

没入しているからこそ、登場人物の性格などのイメージも頭の中に膨らむからこそ、最後の描写が、一行一行、ひと文字ひと文字、全部怖かった。

正直言いますと、個人的には以下の通りの感想です。

【爆弾】:憎しみとリアル、正義の不甲斐なさに心を握られました。
【方舟】:読後感の感情を、心に強く焼印された痛みを覚えました。

どちらもおすすめです。皆さんが【読みたい!】と思う方を読んで頂ければ、どんな感想でも【読んで良かった!】と感じると思います。


ご興味あれば、是非ご一読ください。

では、また。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。



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