見出し画像

勝手に読後レビュー【ヨモツイクサ】 この先生が描くホラーとはこれか!

どうも、みことのは です。
久しぶりのミステリー小説読破!・・・といっても先月末には読み終えていました。先月の北海道旅行に併せて、北海道を題材にした知念先生の作品を読もうと買ってはいましたが、読まずに温め旅行の移動中に一気読み!

結論から言いますと、本当に面白かったですし、ずーーーっと怖かったです!ミステリー小説にもいろいろとジャンルがあり、クローズドサークルやイヤミス、探偵ものなど。その中でも今回はホラーミステリー。

通常のミステリーよりもよりゾクゾク感を味わえると思っていますので、怖くても作品がミステリー寄りなら読んでしまいます。逆にホラー寄りなら諦めます(汗)

そのホラーミステリーを、数ある大好きな作家先生の1人、知念実希人さんがどう描くのか。普段は医療系&ファンタジー寄りで読みやすく心温まる作品も多いと感じているのですが、その知念先生が描くホラー。

その名も【ヨモツイクサ】。


いったい、どんな物語になるのか。
なるべくネタバレはせずにご紹介したいと思いますが、ストーリーの流れに触れたりもしますので、その点はご容赦を。




1、舞台と簡単なあらすじ


舞台は北海道。プロローグ的なまえがきが2つほどありますが、主人公は佐原茜さんというお医者さん。過去に起きたある事件?事故?の悲しみを背負い、その謎を解明しようと動いていきます。

敵となるのは禁忌の森の先に潜むヒグマ。ホラーミステリーらしいのか、ヒグマを始めとした描写も表現もおどろおどろしく、目や耳を覆いたくなるほど。それでも目を離せません!耳を離せません!

医療系ミステリー?と思いながら途中から【この作品、ファンタジーかな?】と錯覚し始め、でもリアルな怖さに引き戻される。

人間の森 と 神様の森の境目。そんな描写もお話の中で出てきましたが、実際北海道を旅行したり自然の観光をする際には、【自然にお邪魔させて頂く】という言葉をよく聞きます。

妙にリアルでフィクションに聞こえなくてそれが怖くて、お話に振り回されます(汗)その繰り返しをノンストップで楽しめる作品です。


2、この作品の怖さとは


とにかくたくさんの種類の【怖さ】に心を鷲掴みにされ、心が逃げられない状態で読み進めます。それが本当に怖くてでも物語としても上質で面白くて、寝る間を惜しんで読んでしまいました!・・・旅行中なのにね(T_T)


・物理的な痛みと怖さ
・動物の本当の怖さとそれを目の当たりにする怖さ
・どこに何が潜んでいるのかわからない怖さ
・追い詰められていく怖さと逃げられない怖さ
・生態系としての弱者であることを思い知らさせる怖さまで

・そしてもちろん、ミステリーとしての怖さ
・【へぇ、知念先生そんな事もするんだ】というベタな怖さ
(内心、これが一番怖かった・・・)

この作品に、いろんな怖さを詰め込んだなぁと尊敬の念。

それら全てに寒気をまとわせて、鳥肌を身体の内側から連れてきます。何度も何度も。・・・この作品、夜中に読むもんじゃありませんよ。本当にw

3、まだ未読の皆さんへ感想を


できるなら本当に読んでいただきたい!
私個人が感じる【知念先生の最高傑作】を更新しました!

それまでは【硝子の塔の殺人】でした。私の読んだ2022年ミステリーの最高傑作でしたが、それを更新しました!


【硝子の塔の殺人】は王道の王道をど真ん中から突っ切る!ミステリーでしたが、それをホラーが上回るとは。感服!

とにかく怖くてとにかく面白い!
終わり方に対する感じ方は人それぞれ。むしろ私個人は、終わり方よりも作品を読み終えた充足感でいっぱいでした!

ぜひ皆さんもご一読ください。
【ヨモツイクサ】。本当に怖くて結構グロくて、でも面白い。

当たり前ですが、【人間は自然に生かされている】ということを作品を通じて学ばせて頂きました。ありがとうございます。

そう学ばせてくれる北海道が大好き^^!

では、また。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。






サポートして頂ければ、嬉しい限りです。今後の活動のために活用させて頂きます!