パパが死んじゃった話〜浪人上京

パパの病気がわかってから約半年後、私は浪人生になった。

朝から晩まで勉強していたけど、そんなに辛くはなかった。家に帰れば家族がいて、その頃にはパパもなんだか元気になっていた。

2回目の受験は、東京の大学だけを受けた。滑り止めも東京の大学。なんとか行きたい大学に合格して、私の東京での一人暮らしが決定した。


そのときパパはどんな顔をしてたっけ。正直思い出せない。

でも、自分のために子供の夢を変えさせたりする人ではないから、きっと喜んでくれていたと思う。少し寂しそうではあったけど。


大学生になってから、パパは東京に用事があるたびに前乗りして一緒に夜ご飯を食べた。パパが東京で大学院生だった時に行っていたお店にたくさん連れて行ってくれた。2ヶ月に1回くらい遊びに来てたから、パパとはしょっちゅう会っていた。

大学2年生の頃までは、たまに検査入院をすることがあっても大体は元気だった。パパも普通にお酒を飲んでいたし、もう病気の心配をすることはないのかなと勝手に思っていた。




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