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(詩)〜 果てしない壁 〜【色々な葛藤の壁に阻まれた過去にその葛藤にある何かを乗り越えたくて、乗り越えられないなら、壊したくて、悩みに悩んでいた想いを綴ったものです。】

私の前には壁がある。
見上げど、見上げど、
そびえ立っているその壁の上は見えない。

左右にも広がる壁。
回り込む事も無理な様だ。
どうしよう。

壁の向こうから、私を呼ぶ声が聞こえる。
行かなくては。

どうやって行こうか。
よじ登る?
壁には足がかりになるものは、何一つ無い。
左右は無限に続いている様だ。

とりあえず壁に手を付け、足を付け、
登ろうとする。

滑り落ちた。

痛い。
もの凄く痛い。
それを何度も繰り返す。
学習能力が無いのか。
何度も滑り落ちては疵を負う。

壊してみようか。
押す。引っ掻く。蹴る。殴る、殴る、殴る。
拳が血に染まっても、殴り続ける。
壁に血がこびり付いている。

ロープが降りてきた。
届かない。
いくら手を伸ばしても、つま先だっても、
届かない。
小さく屈んで飛んでみる。
指先だけ触れ、私は壁に跪く。

左に走る。壁に沿って走る。
右に走る。壁に沿って走る。
私を呼ぶ声が遠ざかる。
やはり、よじ登るか、壊すかしなければ
ならない様だ。

私を呼ぶ声が聞こえる。
壁は果てしなく高い。
頑として動かない。

見上げている内に、首が痛くなってきた。
もう、向こうへ行かなくても良いかもしれない。
見上げど、見上げど、
壁は高く、左右に果てしなく続く。



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