見出し画像

【観た/2022年63本目】映画「女子高生に殺されたい」観ました。

【観た/2022年63本目】映画「女子高生に殺されたい」観ました。

【感想】
完璧に構築された筋書きによる、ひねりの効いたサイコスリラー!

まず脚本。
オートアサシノフィア(殺されたいという欲求を持つ異常性癖者)という、かなりパンチの効いた設定。
更にただ殺されるだけではダメで、5つの条件をクリアせねばならないという複雑系。
その上一体「誰が殺す」のかという謎解き要素を加えた立体的で難易度マックスのはずなんですが。
そこはさすがの城定クオリティ、あっさりと諸条件をクリアしています。

そして演出、演技。
田中圭はこの手のサイコな演技、よくハマることが再確認。狂気と凡庸、完璧と破錠のバランスに上手い。
南沙良、河合優実といった若手成長株、細田佳央太といったこれまた若き実力俳優も高校生役をやる、ギリギリの旬。
きっちり17歳に見えてくるあたりも演技演出共にさすがです。

難点は、

・脚本がスッキリしすぎていて起伏が感じられず、かえって頭に入ってこない。いつの間にかお話が通り過ぎた感じ。
・劇中劇の扱いが雑。この手の作品はこういったディテールが品質を変えると感じます。
・やたら録音の質が変わる。よくとれてるところとそうでもないところが散在し、ちょっと集中しづらい。

といったところです。

それにつけても城定監督のケレン味のない演出と若手有望株のアンサンブルは眼福。
それほど怖いシーンもないのでサスペンス入門としても良いのではないのでしょうか。

【価点・つけるとしたら】
☆3.7です。

この記事が参加している募集

映画感想文

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?