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【観た/2022年56本目】映画「ファイナル アカウント・第三帝国最後の証言」観ました。

【観た/2022年56本目】映画「ファイナル アカウント・第三帝国最後の証言」観ました。

【感想】
おそらく、ほぼほぼ最後になるであろう、「虐殺当事者」を直撃するドキュメンタリー。

まず構造。
過去の蛮行を現代的視点で振り返る。
過去の若者を現代の若者が斬る。
この2つにはっきりと絞りきった、ピンと強めの作画。

次にその焦点、内容ですが。
これは過去の蛮行、心の本音を暴き出すことだけに徹底。
周辺事情や被害者視点はみんな知ってるよね、といったところに据え置き、
対比構造は意図的に避けている。

さてさて。
「直接手を下していない」
「知らなかった」
「いやいやヒトラー、政権運用は良かった」
「命令だったから仕方ない」
といった、ギリギリの建前までは迫っていると思うのですが、いかんせん尺が短い。
監督の作画のきっかけ、その強い動機であったり、ユダヤ人迫害に至るストーリーは全然追えておらず、
結果「彼ら」の「本音」に迫るまでには至っていないと感じました。

ただ。
この言い訳の方程式は現在性、再現性、敷いては普遍性が高く。
どれもこれも、時代を超え、場所を替え、言語を変えて見聞きしてきたものばかり。
背筋が寒くなったこともまた事実です。

狂気。
それはいつも平時の中にこそある。
強く心に刻みたいと感じる作品でもありました。

【価点・つけるとしたら】
☆3.5です。


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