体でふさぐ
カーテンをズシャッとひらくああ朝のさえない霧のかかる五丁目
やらないでいるとますます先鋭になってゆくギャグ胸中のギャグ
宣伝のためのうちわが置いてある四月のくさい部屋に肘つく
どうしても言われたくない欠点を見ない見せない体でふさぐ
順調にかわいがってたはずの手に噛みつく猫のキバの見事さ
そうならんようにしねェと成り立たん。金の話だ、なくなるカネの
母親に無理にやらせたファミコンを思い出す十九時に目覚めて
見下ろしてみても真っ暗だけれどもきびしい水の音が呼んでいる
「未来」2016年7月号
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