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工藤吉生の『未来』の短歌

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歌誌『未来』に掲載された短歌のまとめ。2016年1月号から。彗星集。 投げ銭方式なので、無料ですべて読めます。
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2016年8月の記事一覧

未来 2016年9月号

未来 2016年9月号

もう五月なんて言ってるうちにもう六月なんて言ってるうちに

ひげそりのひりひりとして今日一日耐える痛みのまずは一つ目

くもりぞら ここから今日が始まるというんじゃ先が思いやられる

よく見てはいないがきっと犬だった繋がれて四つ足のハアハア

工藤さんは何を食べてもおいしいと言う、ってだってそうなんだもの


孫どころか子も妻もなく取り出した定規で背中がしがしと掻く

眠ったと思った人が起きてい

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