大規模怪異発生日記2
主な登場人物
話中の万禮一家は、
メンバーシップ「夢了の皿」会員の万禮様のオリジナル・キャラクターで
設定その他は会員様御本人と話し合っております。
711号室出演者≒メンバーシップ会員様は常時募集中です♡
訓練開始
20230302
昨日から始まった怪異対抗訓練システムの
最適解が掴めず難儀している。
始祖も思ったように戦えていないようだ。
他の退魔師の訓練ログを見せてもらおうと思ったが
己の物からしてアクセスできなかった。
システム管理部も大変なのだろう。
己にできる事といえば
己のスキルを増やす事だろうという事で
私は新たに降伏系の真言を持つ仏尊を探した。
そうして見つけた
弥勒菩薩の真言を唱えながら
種子真言であるユを幾度も書き、
ようやっと形になったものを師匠に送った。
よしこれでと思った瞬間に
描画ソフトが強制終了した時は
菩薩の意に反したかと青褪めたが、
ソフトを再起動すると
何事もなかったかのように保存されていたので
胸を撫で下ろした。
師匠は数十分で
魔力を込めた種字を返信してくださった。
有り難い。
20230303
世は桃の節句か。
私は観世音菩薩の真言を唱えながら
種子真言であるサを
幾度も繰り返して書いて
やっと書けた納得いくものを
師匠に送って
新しい呪符を手に入れた。
妙法蓮華経
観世音菩薩普門品第二十五より
攻撃反射を私が期待して抜き出した一部は
全く同じ箇所を
師匠も使っていたそうで
数分も待たずに送っていただけた。
膠着しそうだった
ランさんと師匠が受けた依頼状況を、
ひな祭りを一緒に祝おうとして来訪した
ナリスとチカッツが打破したそうで、
端末の向こうの大層嬉しそうな様子に、
始祖と私の頬も緩み
秘蔵のワインを開けて一緒に乾杯した。
始祖は久実氏達と暮らしていた
自宅へは帰っていない。
万が一、
陽桜市境が敵の力で封鎖された時に
備えているようだ。
20230304
此処へ越してから私は
二日に一度の点滴を
体型維持の為に夕食に充て、
朝食と昼食を
外食か、
料理とも呼べないレベルの自炊と
スーパーの惣菜の組み合わせで
済ませてきたが、
とうとう私の食生活を見かねて
始祖が厨房に立った。
「体は資本だ。
あんたさんは役者だろ?
見かけの細さだけ維持してちゃ駄目だ。
今の肉体年齢の運動量じゃ
塩分多過ぎだから何時か倒れるぞ」
師匠が送ってくれた肉と
肉の漬け油を巧みに使い、
香草の風味を活かして
塩分を抑えた焼き飯をご馳走してくれた。
「俺も凝ったモンは作れんが、
まだ身体にマシな筈だ。
あんたさんは料理が嫌いじゃないんだろ?
薄味料理本を探しに行こうや」
と言って昼過ぎから一緒に三軒、
何故か古本屋を巡っている。
精神感応念話の訓練をしながら。
私は不器用な部類らしいと痛感させられている。
め、めげないぞ!
宜しければサポートの程、お願い申し上げます。 頂戴したサポートは、 闘病生活と創作活動に充てさせていただきます。 スペインはグラナダへの長期取材を夢見ております。