大規模怪異発生日記９
主な登場人物
圭凌司のバンパイアにおける直系始祖。
万禮久幸のバンパイアにおける直系係累。
大空：久幸の実兄スカイの伴侶。鳥人。
千夜：久幸の兄の子孫。久実の母方の祖父。
久実：久幸の兄の子孫だが、
ヒューマン社会には久幸と共に
二卵性双生児と偽って生活している。千夜の孫。
西田絵理香：凌司の元妻。朗正と華代の生母。
朗正：凌司と絵理香の子。母と同居。
華代：凌司と絵理香の子。幼少時に父方祖母の養子となる。
トゥ、師匠：久幸の友人。凌司の魔術の師。
泰市：ランとトゥの伴侶猫。
話中の万禮一家は、
メンバーシップ「夢了の皿」会員の万禮様のオリジナル・キャラクターで
設定その他は会員様御本人と話し合っております。
７１１号室出演者≒メンバーシップ会員様は常時募集中です♡
万禮様の偶さか日記も併せてお読みいただくと解像度とエモさが跳満です。
全種族対応厨房
（リアルタイムでは遅刻したので仮題のまま更新されてしまいました）
２０２３０３２８～２０２３０３２６
テキストは以下
２０２３０３２６
一日中地下で始祖とＤＩＹに勤しんだ。
ナリスさんチカッツさん
師匠やナセリアナさん等
身長７０センチ以下の方々と
身長１６０センチ以上の我々が一緒に
双方安全に料理ができる厨房を造ろうと
始祖が発注していた材料が揃ったからだ。
有り難い。
退魔師の安全を確保する為か
ナビゲーターの健康を確保する為か、
探索回数には制限が設けられていて
内心私が求めていた没頭先には
限度があったからだ。
ジムでの運動を同じ時間続ける事はできないが
このような作業ならうってつけだ。
２０２３０３２７
何かを生み出すという作業に
これ程までに心が救われるとは。
名付けの苦労さえなければ実に楽しいのだが。
異界からの回収物で装備品を誂えるにあたって
名前をつけねばならないのが苦手だ。
前回は泰市さんの名前を借りて
守備と敏捷と変調に
助力を与えてくれると言う物には
泰市の髭と名付け、
攻撃・器用・敏捷は泰市の爪と名付けて
始祖に贈ったのだが、
今回の敏捷・変調・回復は師匠っぽいなと思い
しかしながら師匠の名を入れるのは
憚られたので兎にし……
加工師の生暖かい眼差しと微笑みがまだ目に浮かぶ。
腹を抱えて笑ってくれた始祖に
ならばどう名付けたかを訊いたら、
涙を目尻に溜めて答えた。
「一つは大空の羽根だが、選びにくいから
ステータス名の羅列にするようになったよ。
ゴクローサンご苦労さん！ ブックククク……」
しまった、その手があったか！
２０２３０３２８
地下の全種族対応厨房の仕上げとして、
始祖選り抜きの食器を
二階と一階の厨房と始祖の隠し部屋から移動した。
環を持つ土塊の星で秘密裏に買い求めたという
小人や小さな獣人用の調理器具と食器まで有って、
私は感動した。
なかなかどうしてこの男は計らいが粋なのだ。
「ま、長く生きてりゃな」
「君の始祖は今の君のようなタイプだった？」
「アー……そう言われてみりゃ
こういうトコはそうだったかね。
ンー、でもアレは飄々としててもっと格好良かったよ」
「ほぅ、君は飄々としてる事に格好良さを感じるタイプか。
どういう人かとても興味があるよ。
この星の人？」
「この星の……
女性体で両性愛者だが脳みそは殆どオトコ。
あの思考回路はあの当時の一般女性には居ないと感じたね。
だから惹かれた。
でもこのハナシは『本日は此処まで』だ。
その内興が乗ったら聞かせるよ。
言い忘れてて悪いんだが、
二時間後のター坊んちの女房の誕生日会に
あんたさんも誘われてるんだ。
行けるよな？」
「……はい、行きましょう」
身嗜みを整えてプレゼントを用意する時間はしっかりと確保している
随分都合の良い思い出し方には呆れつつも憧憬の念が湧き起こった。
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