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サマソニ通訳のお仕事を今年もさせていただきました

こんにちは。英語全国通訳案内士・茶道裏千家準教授 マインドフルネスジャーニーズジャパン代表の服部花奈です。

かれこれ10年、夏の音楽フェス サマーソニックでのアーティスト/クルー通訳のお仕事を毎年させていただいております。

コロナ禍では当然ながら開催されなかったわけですが、去年(2022年)からは復活し、今年も有難いことにサマソニ通訳のお仕事をさせていただきました。

今回はサマソニ通訳のお話を書かせていただこうと思います。


きっかけは関係者からのお誘い

私はもともと企業の社内通訳をしておりましたが、2009年に通訳案内士として独立後、あくまでメインにしたいのは「通訳案内」であり「通訳」ではないので、通訳派遣会社に登録しているわけではございません。

音楽業界・エンターテイメント業界に身を置いているわけでもなく、普段は和の伝統文化の世界に身を置いているため、周りからは毎年サマソニ通訳の仕事をしていることにびっくりされることもありますが、きっかけは人のご縁でした。

会社勤めをやめて独立した時にお友達の紹介で仲良くなった方が、たまたまエンターテイメント業界大手企業の社長秘書をしていらっしゃって、その方の紹介で、コンサートのため来日された音楽アーティストの京都通訳案内をさせていただいたり、サマソニの通訳のお仕事をさせていただくようになりました。

なので、こればかりは本当に、偶然の人のご縁です。
フリーランスで仕事していく上で、人のご縁ほど有難いものはございません。

ものすごい数の人間が関わって成り立つ巨大イベント

私が毎年このお仕事をさせていただいて感動するのは、とんでもない数の人間が関わって、数えきれないほどの非常に細かで重要なパズルを、それぞれが協力して組み合わせていくことで成り立つ、巨大なイベントであること、そしてその一端を担わせていただいていることです。

各アーティストさんが素敵なパフォーマンスで観客を魅了するために、どれだけの人間が陰で支えているか、私はその舞台裏を見るたびに感動するし、その支えの一部になれればと毎年精一杯頑張らせていただいております。

サマソニ会場で着るスタッフTシャツ

数えきれない細かな事項を、ひとつひとつ確実に橋渡し

サマソニでは出演する数多くのアーティストそれぞれが気持ちよくパフォーマンスをできるよう、数えきれない詳細を詰めて準備して行くわけですが、

そのどれが欠けても現場のステージでは大惨事を生むのは、旅行会社さんのオフィスでの些細なミスが、お客様を目の前にした通訳案内の現場ではとんでもない惨事となるのと同じですが、
フェスティバルだと関わる人数が格段に多いだけに、その詳細事項の確実な実行により気を張ります。

たとえば今回であれば
私はクルー付きの通訳をさせていただいたのですが

アーティストが絶対にステージ上で必要なもの(どんな形状のキャップのお水を何本、どんな色のタオルを何枚、氷をどれだけ、など)を細々言われて
その準備をフェスティバル主催者様にお伝えして、それらが確実にステージ楽屋やステージ袖にあるようにしたり

クルーがステージのセットアップのために楽屋とステージの行き来する際、車両(離れているので車両移動が必要)を毎回手配して、毎回付き添いしたり(何度も行き来するクルーもいるので、そのたび私も一緒に動きます)

アーティストのボディガードはステージのセキュリティ担当の人たちとセキュリティミーティングをしなければならないので、その段取りをして通訳したり

パフォーマンスとは関係ないけれど、安全上の理由でボディガードの指示で追加のアイテムを舞台袖にスタンバイさせたり

ステージディレクターは当日のセットリストが必要なので、それを提出してもらうようお願いしたり

アーティストの必要なもの
舞台クルーの必要なもの
ボディガードが必要なもの
主催者側が必要なもの
いろんなことを一つも欠けがないように橋渡しをしていくのが重要ですし

今回だとあまりに暑すぎて
アーティストが熱中症になりかけて
セットリストの曲を全てやらずに少し早めに切り上げたのですが

その情報をボディガードから聞いたのが
なぜかアーティスト付きの通訳さんではなく
たまたまクルー付きの通訳の私だったので

「予定より早いですが、あと二曲で終わります!」とステージの方々へ急いで連絡したり

「舞台のあっちから出るから、冷たいタオルと酸素缶を持ってスタンバイして!」とボディガードに言われて
バタバタと走って
舞台袖に帰ってきた顔が真っ赤なアーティストのケアのお手伝いをしたり。

あとは、必要なことにお応えするだけでなく
ご要望にお応えできるよう
アーティスト/クルー側と
主催者側の間に入って
橋渡しをするのも大切な役目です。

サマソニで担当させていただいたアーティストさんが再来日した時にご連絡いただくことも

今回はクルー付きでしたが、アーティスト付きの通訳をすることもありまして、
以前にサマソニで担当させていただいたアーティストさんが、単独公演で来日して大阪でも公演がある時にご連絡いただいたこともあります。

ただ、アーティストさんは大体直前のご連絡なので、直前過ぎて都合がつかずお目にかかれないことのほうが多いのですが、声をかけてくださること自体が嬉しすぎますし、有り難すぎて、感謝でいっぱいです。

「サマソニで日本に行った時にケアしてくれたKanaは確か大阪らへんに住んでるって言ってた!連絡しよう!」と思い出してくださるのは、本当に嬉しいことです。

今回担当させていただいた方々も
次は京都を見てみたいとおっしゃる方が多くて
その際はぜひ会いましょうねとハグをして
しばしのお別れをしました。

サマソニで出逢った方々へも
また日本の美しさを伝えていけますように。


素敵なご縁をありがとうございます。

サマソニ会場で手首につけるアーティストパス。毎年デザインが変わりますが、今年のものが個人的には一番好きでした。



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