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アツのハナシ

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アツが麻雀を知り、溺れ、後の相棒ユウと出会うに至った時期の物語。
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2020年4月の記事一覧

アツ、22歳。雀荘で苦悩する。

いつも開店の10時過ぎにすぐ来て長い時には24時まで入り浸る常連のN沢さんというお客さんがいた。

タケが引っ張ってきたお客さんの1人で、稼ぎは良いがあまり評判の良くないシゴトをしていた。

「ROOKIES」は「事務所」と違って大学が近くに無いせいで、学生の出足が鈍く早い時間帯に卓が立ちにくい。

そんな店にとってありがたい存在だったが、2人目のお客さんがなかなかこないと結果2時間程待ってもらう

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アツ、22歳。ニューオープンの雀荘に雇われる。

精算金をしまい込み、セットを抜ける僕にO野が話しかけてきた。

O野:オニイチャン、そんだけ稼いだんなら「隣」のフリーで遊んで行ったら?さっき訊いたら今日は300円のサンマしかやってねぇけど、やるなら「ここの人」に紹介するぞ?

ひえぇ(((;゚Д゚)))

僕はもちろん丁寧に断りを入れて逃げるように雀荘を出た。

じゃーなーと相変わらず軽いノリのタケ。

店を出ると言ってもわざわざ黒スーツを呼び

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アツ、21歳。ヤ◯ザ雀荘で無双してしまう。

「無双」についた僕とタケ。

駐車場にはどう見てもヤバそうな黒ベンツや弩ノーマルのクラウン、さらにカーテン付きのプレジデントや外車が停まっていて早くも僕はビビり始めた。

エントランス周辺には2台の監視カメラがあり、入口の扉は飾り格子が付いていてゴツい。

中に入ると脇に鍵付きの下足箱があり、少し左奥に部屋と卓が見えた。

後できいた話だが、その部屋は4卓を四方に置いている「一般セット客用」の部屋

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