吾の気持ち なんにも知らない ふりをして ユラユラ揺れる 白いカーテン
吾の気持ち なんにも知らない ふりをして ユラユラ揺れる 白いカーテン
たった今、好きな男とセックスした。
彼は果ててすぐに寝てしまった。
白いカーテンだけが揺れている。
最高気温が35°を超えた8/5、仲間内のBBQの後「家で呑みなおそうよ。2人で。」と言う彼が言うもんだからOKした。
だって好きなのだ。喜んでお誘い受けるでしょ?
彼の家でシャワーを浴びて、缶ビールを開けると、今年の夏は暑いだの、お盆に帰省する予定だの、かき氷はイチゴメロンか?だの、どうでもいい話題で時間を埋めていく。
どうやらセックスに興じるには、まだ時間が早いと思っているようだ。
ちょうど23:00になる頃、彼の腕が肩にまわされた。
3人がけのソファーは、2人で寝っ転がるのにはギリギリな大きさで、ゆっくりキスをして、ゆっくりソファーに体を沈められる。
すぐそこに真白なシーツのベッドがあるんだけどなー。。
ボクの好きな人は、ボクをソファーには沈めるが、真白なベッドには沈めてくれないらしい。
その先には真白なカーテンが、冷房の風で微かに揺れている。
ここで話を変えようと思う。とっても大事な事だから。
ボクは彼が好きだ。彼にはボクではない恋人がいる。正確には、いた。
彼の恋人は4ヶ月前に亡くなった。
心臓が弱く、職場で倒れ、割と早く亡くなってしまったそうだ。
とても性格が良く、弱々しいが良く笑う子で、白が好きだったらしい。
だから彼の部屋のシーツとカーテンは真白だ。
真白なシーツは、シワひとつなくピンと張り詰め、
白いカーテンだけが揺れている。
彼を好きな気持ちと、白をグチャグチャに汚してみたい気持ちだけを残して、部屋を出た。
きっとまだ、白いカーテンだけが揺れている。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?