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アルチザンと永遠

数年前から通っている店で販売している服、そして自分が傾倒している服は一般的にアルチザン系と呼ばれる。

がしかし、服好き以外にアルチザンと言っても伝わることは基本的にない。その店に通うことでなんとなくわかったのだが、その沼はかなり狭く深い。そして人口はとても少ない。


自分は一般的にアルチザン系と呼ばれる服を着るが Carol Christian Poell や Maurizio Altieri など、又はそれらに関するブランドは着用しない。
アルチザン系という服がそれらのみを指すのであれば自分の着る服はアルチザン系ではない。

一般的にアルチザン系と呼ばれるブランドでも例えば Paul Harnden や Geoffrey.B.Small ARCHIVIO J.M.Ribot などは上記の2つのブランドとはイメージが異なるだろう。

ポエルなどはレザーのイメージが強く、普通では思いつかないような革新的なこと、異質なことをして服を作る印象がある。

一方、ポールハーデンなどは大量生産以前の昔ながらの服に大いに影響をうけ、クラシカルな洋服を手仕事を大事にして作っている印象がある。


これらを一括りにしてアルチザン系というのは違うのではないかと後者側の服を着ていて思う。(前者よりの服も着るが)
これはアルチザンに足を踏み入れたことのある方ならばわかってもらえると思う。


しかし呼び名がないので統一されているのが現状であり、海外ではどういった認識なのか聞きたいところである。後者側の良い呼び名があれば教えて欲しい。もはや作って欲しい。
(自分では後者をクラシカル・アルチザンと呼ぶのが良いかと思ったがこの言葉で区別できるかと問われるとなんとも言えないし自信もない。。もっとしっくりくる言葉を誰か提案して欲しい。)




さて、昨今はアルチザン系の服を取り扱う店が増えているし、それらしい服を作るブランドもよく目につく。
アルチザン系の服の共通のイメージは手仕事を重要視することやデザイナーの異常なまでのこだわり、ほとんど天然繊維しか使用しないなどといったところだろうか。

手仕事を大切にしてナチュラルな雰囲気の服を作るのは結構だが、自分が重要視しているのはその"純度"である。

アルチザン系と呼ばれるブランドや服は流行や気分ではなく圧倒的なこだわりやデザイナーの考える正しさや思想を貫き通して欲しい。
それによって流行や気分を超えた服に対しての思想を形作り、ベストだと思えるスタイルを完成させたい。

自分個人の願いとしては、アルチザンには永遠を夢見させて欲しいと思っている。中途半端なブランドを否定するわけではないが、そうでなければ服に対する純度が下がってしまうようなそんな気がしている。

自分は永遠を夢見させてくれる純度の高い服やお店を信頼できるし、信頼したいとそう思っている。

まぁあくまで服にはこういう楽しみ方もあるよね。こういう楽しみ方ができる人もいるよね、という話である。

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