続・マンション麻雀に挑戦した話(フィクションです)
前回
マンション麻雀に挑戦した話(フィクションです)
https://note.com/mizuwarimiso/n/nb60ec4042db4
前回までのあらすじ
友人の妻から拝借した絶対に溶かせない50お気持ちポイントを含む100お気持ちポイントを持ち、港区某所のマンション(で行われる身内)麻雀に参加した私、味噌汁の水割り。雀力的に余裕の勝負だと見くびっていたが、開始早々の3ゲームで30お気持ちポイントを溶かしてしまった。一体どうなってしまうのか───
ルール
東南戦
レート:1000点0.2お気持ちポイント(前回未記載でしたごめんなさい)
順位ウマ:2-5お気持ちポイント
祝儀:一発赤裏=1お気持ちポイント
「水割りくんツかないねぇ」
4ゲーム目、この日5度目のリーチ負けを喫し涙目で12000の3枚を払う私に、下家からこの部屋の主、Oさんが語りかける。全くもってExactory(そのとおりでございます)で、押しては先制リーチが全て放銃の結果に終わり、引いては跳満倍満をツモられる。不完全情報ゲームである以上、麻雀とはそういうものだという理解はある。1000半荘やれば勝ち越せる自信はあるが、10ゲーム20ゲームレベルの短期では明らかな弱者を相手に一方的に負けることもあるだろう。しかしそれが何も今日でなくたって───。
胸中穏やかでないまま迎えた4ゲーム目のオーラス、結果としてこれがこの日のターニングポイントとなった。状況はざっくり以下の感じ。
Oさん (東)42000くらい
Tさん (南)30000くらい
Hさん (西)21000くらい
私 (北)7000くらい
ドラ7p
ラス抜けに跳ツモorHさんから満直条件、トップに至ってはトリプルをツモるかOさんから直条件。ハッキリ言って絶望だが、ラスと3家では(自分が和了ることが前提だが)4お気持ちポイント以上違う。跳満を意識しながら手を進めたい。というか跳満ツモらないとやばい。このまま負け続けるとお気持ちポイントが返せない。返せないなら強制労働、1050年地下行き…?
3巡目、私の手はこのようになった。
45s12345567778p ツモ9p ドラ7p
なんか知らんけど超速ダマ跳できた。Oさん以外からなら出和了りもきくしツモれる。シレっと5pを切ればいい。しかしここで私の中の悪魔(別名脳汁効率の魔/口調は一方通行(アクセラレータ))が囁いた。
(まだ3巡なンだぜェ?メンチンなら数え役満まで見れるってのによォ。数えならトップだ。弱気なもンだな三下ァ)
分かるけど、君の言うこともわかるけどっ…!僕は今負けているんだ!負けられないお気持ちポイントを持って今負けているんだぞ!何故君はそれがわからないっ!!
正直この手の和了は逃がせない。確かに3巡だ、牌の少ない三麻なら点棒状況によって聴牌外しもアリかもしれない。だがこれは四麻で、今の最優先事項はラス回避だ。2家以上は遠すぎる。
私は4sを切って聴牌を外した。
あー、やっちまった。脳汁効率の魔に負けた。メンチンの脳汁量の半端なさのせいだ。時間は不可逆だ。やってしまったものは仕方ない。引き返せない一方通行の入口を見て悔やむより、今日の勝負の出口に向かって思考をアクセラレートさせろ。私は冷静さを取り戻し状況分析を始めた。
5s123455677789p ドラ7p
河には9pが1枚ドラ表示牌に6pが1枚。他に関連牌は無い。5pのくっつき系とヘッドレスの複合だから134567pツモで聴牌。2枚見えカン6pになる1pツモとダブル中膨れシャボになる5pツモ以外は悪くない(メンチンにしては狭いが)。ラス牌のドラ7pツモれたら最高である。3-65pで安めの3pでトリプル、6pと赤5pなら数え役満。私は隙あらばバンブー麻雀(ブラウザゲーム。知らない方はググってプレイして見てね)をしているので、メンチンの牌理には強いのだった。
次巡、まさかのツモ7p
5s123455677789p ツモ7p ドラ7p
(曲げろォ…曲げちまえ…)
アクセラレータが愚者の言葉を囁く。しかしこれは流石にダマだ。祝儀も欲しいが今は着順だ。ダマでもTさん、Hさんからの3p出和了以外はトップに届く。
(だからテメェは三下なンだよ。いいか、今日の面子は社会の成功者だ。この手をウマぶってダマで役満和了っても、大したダメージは与えられねェ。あァ君うまいねェって思われて終わりだ。恐怖がねェから今まで通りこれからも押し返される。麻雀はいかに和了るかじゃねェ、いかに相手をおろすかってゲームだ)
「リーチ!」
負けすぎて頭がおかしくなっていたのだろう、脳汁レータに唆された私は愚かにもリーチをかけてしまった。でも大丈夫、この手は指が13本折れてもリーチだって桜井テスタロッサさんもとい宿の雀鬼さんも言うはずだ。7巡目、親指の腹にピンズ独特の薄い(というかソフトというような)触り心地が伝わり、私は脳汁を撒き散らしながら6pをツモりあげた。アッ、アァアァ?アアッ、
裏ドラ表示牌も6pであった。アァアアアアアアッー!!!(脳汁プッシャー)
次回で脳汁編は終わりです。
続き
続続・マンション麻雀に挑戦した話(フィクションです)
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?