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ヨガ哲学から考える本来の農業の在り方

昨年ディナチャリア(舌磨きと白湯、アーサナ(ポージングの意)、瞑想)を日々していたのですが、今年は、哲学と食事の面から「内側の哲学である ヨガ と生命の科学である アーユルヴェーダ  × リジェネラティブ農業」を学んでいくことにしました。

noteでは勉強したことや考えたことをアウトプットしていきます。

今回は、ヨガ哲学から考える本来の農業の在り方についてです。

私たち人間は食べ物からできています。

食べ物となる食材には栄養素が含まれており、
口→食道→胃→小腸→大腸→肛門を順々に通りながら
・エネルギーになる
・体を作る
・体の調子を整える
という生命維持をするための三つの役割を果たしているのです。

その食材は、地・水・火・風・空という物質から生まれています。

・微生物の働く土
・植物を育てる水
・光合成の火(太陽エネルギー)
・通気性(風)
・安全な空気
Yogini vol.76 7 July 2020 P36より

このように物質より宿った食材が食べ物となり、人間の身体を作るという流れから、私たち人間は大きな自然の一部(=循環の一部)であるといえます。

それではヨガ哲学のヨーガスートラに基づいて、人間にはどんな食事が相応しいのでしょうか。

ヨーガスートラとは、古典ヨーガの根本教典。紀元後200-400年にパタンジャリによってまとめられました。「心の作用を止滅する」というヨーガの定義を説き、本来の自分に気づき、ただそのように存在する「真我独存」に至るまでに通過する八つの行い、八支足。

そのうちの一つ、アヒムサー(=非暴力)という行いが、食事と繋がります。

アヒムサーとは、自分にも他者(人だけでなくあらゆるモノ)に対して暴力をしない。心身ともに傷つけないということです。

例えば、
自分にとってのアヒムサー:無理をしない
他者にとってのアヒムサー:相手を傷つける発言をしない

食事では、
自分にとってアヒムサー:脂っこいものを食べ過ぎない
他者にとってアヒムサー:動物の命を無下にするような肉食を控える(※栄養としてはOKというスタンスがあります。無理をしないという自分にとってのアヒムサーに通づる。)

また近年の環境問題や気候変動から地球環境にとってアヒムサーを考える人が増えてきています。
・再生可能エネルギーの電気を使う
・生ゴミはコンポストにする
・プラゴミを減らす
・洗剤は河川・海洋に負荷のないものにする
・EV車にする
・ファストファッションを選ばない(人権問題も絡むので地球と人にとってアヒムサー)
・エシカル消費にする

では、食材を生産する農業や畜産業はアヒムサーなのか?と問われれば、戦前より食材を生産する農業・畜産業はアヒムサーに反するやり方が続けられてきました。

これまでの慣行農業では土壌にとってアヒムサーを度外視してきたために、土壌の栄養は枯渇し、良質な食材が作りづらい状況。

<慣行農業のやり方>
土:化学肥料や農薬を投入・年2回以上農業機械で耕す
雑草:除草剤で除去
虫:農薬で駆除
病:殺菌剤
DROW DOWN   ポール・ホーケン著書 P 112

土壌の栄養が枯渇した根本原因には、耕起により土壌中にある炭素が空気中に放出したことが挙げられます。

(土壌と炭素の関係については、NetflixドキュメンタリーKiss the Groundを観ると炭素は土壌中にあるべき場所とよく分かります。)

簡単に言えば、炭素が土壌中にあると
微生物が繁殖して、土質が改善、根が深く張る・・・・とさまざまな反応をもたらして肥料が要らない土壌になるのです。

ちなみに炭素放出は気候変動に起因しており、〇〇にとってアヒムサーは結局は回り回って、自分にとっても、あらゆるモノにとってもアヒムサーに繋がっているように感じます。

このようにみていくと、土壌中に炭素のあり続ける農業が循環の一部であり、本来の農業の在り方だと、ヨガ哲学から考えた結論に至りました。

これまでの慣行農業のやり方を見直した環境再生型農業(Regenerative Agriculture)。耕さないを原則に、炭素を土壌中に留めて健康的な食材を生産しています。そんな栄養満点な食材を使った料理はきっと美味しくて、私たちの身体も喜んでくれるはず。

<余談
数年前に完全ビーガン生活をして体調を崩してしまい、これまで食生活では人並みに肉食をしてきました。今年は、肉を食べる頻度を減らしていくことにして、大地から直接育まれた豆やキノコ、魚の食生活にシフトしています:)

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