モノローグ台本『唯一のロボット』
はじめに
女性専用の作品です。
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本文
ルミ、ロボットの電光板に表示されてる文字を読んでる。
ルミ「起動中…起動中…」
ロボット、起動する。
ルミ「おはよう。あんたはね、今目覚めたの。私は、あんたを購入した人間。呼び方は、うーん、どうしようね?ご主人様、ってのもなんだかアレだしね。じゃあ、ルミさんって呼んでよ。『宜しくお願いします』?おぉ、礼儀正しいねぇ。いや、機械の声だから、そう聞こえるだけなのかな」
ルミ「ん?『名前をつけてください』?そうね。あ、ソルムってどう?ラテン語で『唯一の』って意味なんだけど。良いでしょ?なんか可愛らしいし。あ、他には?なんか聞きたいことある?『ルミさんの好きな食べ物を教えてください』?」
ルミ「好きな食べ物かぁ。色々あるんだけどねぇ、…じゃあ、あ、りんご。…『ゴリラ』?いや、なんでしりとりするのよ。……ん?待って待って、あれ?『ルミさんって呼んでよ』『宜しくお願いします』、『聞きたいことある?』『ルミさんの好きな食べ物教えてください』……もしかして、ずっと私の言葉としりとりしてた?『大変でした』。おぉ、すごいね、ソルム!さすがロボットだ。これなら大丈夫そうだね」
ルミ「うん、あんたに来てもらったのは、私のお手伝いをしてもらうためなの。ううん、掃除とか洗濯じゃなくて、記憶のお手伝い。……そうなのよ、最近忘れっぽくなっちゃって。だから、私が何か忘れていたら教えて欲しいのよ。それ以外の時は…しりとりでもする?頭の体操になるんだって。あれ?止まっちゃった」
ルミ、電光板を読む。
ルミ「同期中…同期中…」
ソルム、動き出す。
ルミ「ん、どうしたの?……『既に忘れています』?どういうこと?…この部屋?…そうだね。滅多に使わないから、鍵はかけているけど。開ければ良いの?」
ルミ、部屋の鍵を外し、扉を開ける。
何台もの同じロボットが、部屋の中に入ってくる。
ルミ「…なんでこんなに?」
(完)
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