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水谷健吾
2021年12月7日 16:05
「マスクを忘れた」そのことに気づいた瞬間、全身の血の気が一気に引いた。大学の講堂へ入っていく人々が、怪訝そうに私の顔を見ている。背中を嫌な汗が伝い、頬が真っ赤になっていくのが自分でも分かった。「どうしよう…」完全にやってしまった。マスクが無いと会場に入ることさえできない。どこかで買えないだろうか。いやそんな簡単に売っているモノじゃない。焦りと後悔で頭の中がパニックになる。その時、「お