狂ったように遊んだゲーム(PC-98編)
前回の記事の最後で、次回はプレステかな?とか言ったけど。
我が家にPC-98がやって来たのは1994年、プレステは1996年か97年頃だった。
プレステに行く前に、PC-98で遊んだゲームについて語らねばなるまい。
PC-98(9801とか9821とか)って聞いて、わからない人ってどのくらいいるんだろう?
PC-98とは、Windows95が登場する以前、MS-DOSというOSでパソコンが動いていた時代に活躍してたパソコンのうちの一つだ。
もっともやりこんだゲーム「RPGツクール」については、以前に別記事にしたのでよかったら見てほしい。
だがこいつは厳密にはゲームではなく「ゲーム制作用ツール」だと思う。
今回はそれ以外によく遊んだゲームについて語りたい。
アダルト or ノットアダルト
パソコンといえばエロゲー。
エロゲーといえばパソコン。
そう思う人も少なくないだろう。中でもPC-98はエロゲーが充実してるマシンだったと言っていいと思う。
画面に16色しか色を表示できないのに、肌色に3色くらいしか使ってないのに、美麗といっていいレベルの画像のエロいゲームがいっぱい出ていた。
しかしながら、私がPC-98を利用していた時期が18歳未満であったことや、貧乏でチキンハートなシャイボーイだった筆者にエロゲーを買う勇気とお金もなかったことなどもあり、今回紹介するのはノットアダルトのものとなる。
ノットアダルトである。
何度も言わせるな。これ以上の詮索は無用だ。
エロくないゲームで、家庭用ゲーム機に移植されていないゲームで、面白いものが結構いっぱいあったんだよPC-98。
やりごたえ満点の名作たち
・銀河英雄伝説4EX
98のゲームで一番好きなのを一本選ぶなら、これかウィザードリィだと思う。前に記事を書いたので内容については割愛するが、原作を知っていて、好きだったら確実に楽しい。
キャラゲーが嫌い・キャラゲーを信用してなかった私が考えを改めた1本。
・ウィザードリィ1
私がウィザードリィ大好きで何度も遊んでいることは前に別記事で触れた通りだ。
かなりハマってファミコンやPCエンジンで何度も遊んだ。
原典でもあるパソコン版にいつか触れてみたいと以前から思っていた。
私がPC-98本体を手に入れたのは1994年。
PC-98用のウィザードリィ1が発売したのは1985年だ。
当時からして、約10年経ってる。ヨドバシカメラに行っても普通には売っていなかった。
私は探した。
それこそ、“村正”や”聖なる鎧”を探す冒険者のような気持ちで、パソコンショップのある雑居ビル・ダンジョンに数えきれないほど潜った。
中古屋なのかレンタル屋(!)なのかわからないような怪しいパソコンゲーム屋さんの門も果敢に叩いて回った。
横浜駅付近の怪しげな店で1回見つけたんだけど、5インチフロッピー版だった。アキバのソフマップも何度か足を運んだけど5インチしかなかった。私の持っていたPC-98は3.5インチのフロッピードライブしか搭載しておらず、1年くらい探し続けて大宮で見つけた時は嬉しかったな。
今みたいにネット通販とかヤフオクとかメルカリとかがあったら、もう少し楽だったかな…?w
・ハイリワード
イマジニアから出ていたシミュレーションRPG。
制作はエニックス(スクエニの"エニ"の方だね)。
シミュレーションRPGという呼び方が適切なのかは分からない。
移動は伝説のオウガバトルとか半熟英雄みたいな感じ。
着いた街で買ったものを別の街で売って貿易するとかは、The ATLASや大航海時代のようでもあり。
バトルはスクショにあるように、セミオートで進行する銃の撃ち合いだった。
多額の借金を負ってしまった主人公が仲間達と共に傭兵団を結成し、あの手この手でお金を稼いで、毎週取り立てに来る借金取りにお金を返していく(返せない時はバトル!で追い返すことも…?)というゲームだった。
戦いだけでなく、貿易、築城、踊り子の公演、お届け物の依頼など、お金を稼ぐ手段は様々で、自由に遊べるところがよかった。
また世界を旅していくうちに、財宝に関する噂話やヒントなどが手に入ることがあり、それを手に入れて一挙に返済することもできたらしい(筆者は自分では手に入れられなかった…)
もう一度遊びたいなー。と思うのだけど、家庭用ゲーム機にもWindowsにも移植されていなくて、もはやプレイする環境が維持できない、用意できない感じになってしまっている「名作みなしご」と言えるタイトル。
移植もして欲しいし、続編も遊んでみたい。
こいつが日の目を浴びる世界線に行きたい。
そう思ってやまない一本。
・フロンティアユニバース
家庭用ゲーム機だとテトリスで有名だったBPS社が出したSLG。
これも「名作みなしご」と言っていいゲーム。
斬新で面白かった!
色々な惑星に色々な宇宙人が住んでいる未来の世界。
プレイヤーは惑星と人種を一つ選んで、宇宙の覇者になるべく他の種族と戦う、スペースウォーシミュレーションゲーム。
宇宙戦艦とかを組織して、他の星と戦うゲームだ。
けどこのゲームは、異星人たちと(銀英伝ほどは)ギスギスしてなくて、同盟国とか、割と仲のいい星とか、争いを好まない種族とか、そういう奴らが割とたくさんいる。
そして、征服の手段は武力だけじゃなくて、買収するとか、宗教で骨抜きにするとか、無人の星に移住して住むとか、いろんな手段があるのだ。
そして定期的に「コミュニティユニバース」と呼ばれる、各国の代表者会議(いわゆる国連)が開催される点がポイント。
実際の国連と同じように「あの国(星)最近調子こいてっから経済制裁したいと思いまーす!賛成の人?」みたいな感じの議題が出て、参加各国は賛成か反対かを投票する。
経済制裁しよう!とか、宣戦布告してみんなで攻めちまおう!とかが可決したら、閉会後はみんなでそれをやることになる。
実際の国連見たことないから同じかどうかよく知らんけど。
議題にされる(槍玉にあがる)国が知らん国の場合もあるし、まさに交戦中の憎たらしいあん畜生な場合もあるし、同盟中の友達の場合もあり、賛成するかどうかはその時の立場で変わってくる。これは自分だけじゃなくてCPUが担当する他国も同じなんだけど、会議が始まる前の休憩時間に、他の国の代表と会話?歓談?雑談できる時間があって、そこで「オメーあの議題、何に投票したらいいかわかってんだろうな、アァン!?」と言わんばかりに脅…協力をお願いしたり、いろんなお話をすることができる。
それによって、敵がこっちのいうこと聞くようになったり、仲悪くなったりするところが面白い。
ちょっとディプロマシーとかそういう大規模なボードゲームっぽい感じがした。
出てくる人物の作画がアニメっぽくなくてイケメン美女は少しいるけどあんまり多くなくて、人外が多いのも特徴。
ちょっと教育テレビっぽいテイスト。
異星人と戦うSFのシミュレーションゲームは、他にもシュヴァルツシルトとかたくさんあったけど、これが一番面白かった、筆者に合っていたな。と思う。
例によって移植に恵まれず、続編はおろか精神的続編みたいなタイトルもなくて寂しい。信長の野望や三国志で、他の国の敵大名や武将とのコミュニケーションがとれる作品もあったと思うけど。
もう一回やりたいな。
・ルナティックドーン
続編はWindowsでも出てたし、家庭用機でも出てたので割と有名かも?
これの1と2はPC-98用ゲームだった。
いちばん長く遊んだのは1。
フリーシナリオRPGってくくりで語られることが多いけど、感触としては「自分がファンタジー世界で一介のモブ冒険者だったとした場合の、その人生を体験するシミュレーションゲーム」って感じ。
プレイヤーは最初、何者でもないただの荒くれ者で、そこから様々なクエストをこなして、財を成すのか、名を成すのか、その名は美名か、悪名か。はたまた何もなさぬまま、荒野に転がる骸となるのか。
なんでもできるんだけど、基本、何も起こらないので好みが分かれる。
いわゆる普通のJRPGって、自分が何もしなくても自分の周りや世界で勝手に何か事件とかが起こって、自分はそれに対応するために、戦ったり東西奔走したりするってケースが多いと思う。
けど、ルナドンは自分で何かしないと基本何も起きない。最初の街から一歩も出ずに引退。ってこともできてしまう。
酒場にいる知らない奴を仲間としてスカウトするのだけど、能力値は見られなくて、力:隆々とした筋肉! 器用さ:あの見事な銀細工は彼の手作りだろうか …みたいな印象文が表示されるのが可笑しい。
仲間と一緒に魔物討伐のクエスト受けて、倒すのは仲間に任せて、達成したら帰り道の雑魚モンスター戦で範囲魔法使って仲間を殺して、死体は放置。1人で街に帰り、報酬は山分けせずに独り占め。
みたいな進め方が序盤は効率が良く、だんだん悪人になっていってしまう(ことが多い)のも楽しい。
今はスカイリムとかもあるから、似たような体験ができるゲームはあるけど。
・DOOM(ドゥーム)
画像で一発でわかると思う。
「この手のタイプのゲーム」だ。
シリーズの新作が今の家庭用ゲーム機でもまだ出てるけど、こいつはその1作目。
いまでこそこういうやつ(FPS)は世の中に溢れてるけど、この頃はウルフェンシュタイン3DとDOOMくらいしかなかったんじゃないかな?
思えば私が初めて自分で購入したポリゴンのゲームかもしれない。
主観視点で迷宮を走り回り、迫り来るゾンビ兵士や気持ち悪い宇宙生物的なやつとか牛みたいなデーモン野郎に鉛玉やチェーンソーをぶち喰らわして殺しまくるゲーム。
すっごい楽しいんだけど、しばらくやってると3D酔いするんだよね。車酔いみたいに吐き気をもよおしてくる。
今はもうだいぶ慣れたけど…当時は「DOOM酔い」なんて呼ばれてた。
これを買ったきっかけは、筆者が当時購読していたパソゲー雑誌「ログイン(アスキー刊。ファミ通の前身とも言える雑誌で、紙面の半分くらいが"ゲーム帝国"や"ファミ通町内会"みたいなノリで構成されていた雑誌)」だ。
誌面にて、ものすごいハイテンションでDOOMの攻略記事を載せていて、それが猛烈に面白そうで購入してしまった。と言う感じだった。
DOOMは言うまでもないかもだけどアメリカのゲームで、ゲーム内の表示も大半英語だったの。
たぶんだけどログイン編集部の人たち、メーカーからパブ素材とか情報をもらってなくて、このゲーム面白え!ってなって自分らだけで勝手に攻略記事にしてたんだと思う。敵の名前とか、武器の名前とか勝手につけてたし。
「牛男」とか「惑星破壊砲」とか、ネーミングもちょっとおかしくて、いまだに覚えている。
その他、ややハマりしたタイト
・ファーランドストーリー(3くらいまで)
・パワードール(2らへんまで)
・A列車で行こう(3と4)
・天下御免
・トキオ
・アローン・イン・ザ・ダーク
・なぞぷよ(ディスクステーションに毎号ついてた)
・ウィザードリィ7
当時やりたかったけど出来なかったタイトル
・メガトンアームズ
・フィニッシュホールド2
・スーパードッグワールド
・プライマルスペース
・バーチャファイターPC
・バーチャロン(なんかボードが必要だった)
・A列車で行こう5
・ウィザードリィ6
私が学生の頃にPC-98を持っていたのは1台だけで、買い替えとかはできなかったので、時代の流れとともにうちのハードは旧型になっていき、最新のゲームは動作しなくなっていった。
とくにWindows95登場以降、ポリゴンを使ったタイトルが増えてきて、その辺を動かすにはマシンパワーが足りなかった。
2Dのゲームだけど、シンプルに金がなくて機会を逃した。ってやつも少しあるけど。
バーチャやA列車、ウィザードリィなんかは最近のゲーム機やスチームなんかでもやれるけど、他のタイトルはもう遊ぶ環境がない。
近々、どっかのテレビ民放で「テレビゲーム総選挙」なる番組をやるらしく(もうやったのかしら?)思い出に残っているゲームソフトをネット投票で受け付けているらしい。
しかしその対象ゲームにはパソコンゲームは含まれないそうだ。
PC-98をはじめとするWindows以前のパソコンは、家庭用ゲームよりも、アーケードゲームよりも、保存とアーカイブが出来てないプラットフォームと言えるんじゃないかな。
全タイトルリストみたいな本も出てない(と思う)し、フロッピーディスクはもう製造されてないし、湿気に弱くてカビが生えやすいし。
完全に忘れ去られてしまう前に、ここらで過去のアーカイブ総ざらいを行えるといいな。と思う。