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奇業案件~ビジネス×ホラー③~

更新がめちゃくちゃ遅れてしまいました…すみません…
最近聞いた話がなかなかパンチ効いておりまして、それで恥ずかしながら、
書くの怖くなってしまいまして笑
その話はまた今度、覚悟が出来たときに書きます!

今回は、とある建設会社から聞いたお話です!

其の三 『遊具』

3年前ですね。区からの要請で、とある公園の遊具を取り除くっていう作業をしたんです。

コンクリートで出来た大きな木の遊具でね、幹も枝も全部コンクリートでできてるもんだから、たくさんの子供たちが登って、上から落ちちゃうんですって。

僕は前からこういう、危険なものを無くそう!みたいな考えがどうにも好きになれなかった。だって、僕らは昔そういうので遊んで、けがをして初めて『危険』だったりとか『痛み』ってもんを知るんじゃない。

でもね、その遊具を見たときはさすがにびっくりしましたよ。高さ10メートルもある、めちゃくちゃ太くて硬くて硬い木が、そんなに大きくない公園に生えてるんだもん。
枝は全部で7本。どれも長く伸びていました。
遊具としてはたまらないでしょうね。僕もきっと、子供時代にこれがあったら夢中で遊んでますよ。んで、大けがしてた笑

区の役員が言うには、20年前にこの遊具は作られ、それ以来多くの子供たちに遊ばれてきたらしいです。
ただ、もちろんケガも絶えなくて、昨今の情勢に従い、やむなく撤去という形になったそうです。

遊具ってね、意外に撤去がむずいんですよ。
周りの土から堀起こさなくちゃいけないし、実際物凄く深いところに、軸が埋まってますからね。
作業終了まで二か月くらいかかりましたね。

そして最終日、遊具がなくなったあとの地盤を確認するために、責任者の私と作業員AとBを連れて
早朝、誰もいない時間にその公園へ行ったんです。
確認っていっても、撤去した場所の周りをうろつくだけなんで2、3分で終わります。

問題ないことが分かったんで帰ろうとしたら、Aだけついてこなかったんです。
何してんだって思い後ろ振り返ると、Aはちょうど遊具のあった場所に立ってました。

早くこいよって声かけたんですが、Aはそこからまったく動きませんでした。
それどころか、返事さえしません。口も身体も動かさす、その場に立っていました。

一体何なんだと思いましたが、とりあえず近くに言って、改めて声をかけようとしました。

「帰りましょう」
突然Bが私の腕を掴んで、そういったのです。

なんでだよ。Aをほっとけないだろと言っても、「とにかく帰りましょう」の一点ばり。
ついには私の腕を無理やり引っ張って、乗ってきた車に押し込め、そのまま出発してしまいました。

どういうことだと車内で問いただすと、

「Aさんの周りをたくさんの子供が囲んで、身体を掴んでたんです」
Bは、額の汗を拭いながらそう語っていました。
「だから、僕らも近づけば、あいつらに捕まっちゃう気がして…」

そんなわけあるか!とは言えませんでした。
なぜならAもBも真面目な性格で、一度もこの手の冗談を言ったことがないからです。

少しして公園に戻ると、Aはその場に倒れていました。
身体を揺らすとすぐに意識をとり戻しましたが、公園に入ってからのことを覚えていないそうです。

その後僕たちの身の回りには何も起きていません。
今思い出しても、ほんと謎の体験ですね。

ちなみにこの話をしてくれた方もAさんもBさんも、まったく霊感はないそうです。

次回からはきちんと、週1で更新いたします!
また、ホラー以外のコラムも扱っていきたいと考えておりますので、
よろしくおねがいします!

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