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足跡


ダンスのステップ うまく踏めずに
半ベソかきながら繰り返し何度も何度も踊った
雨上がりのグランド 笑ってた体育祭
走り抜けてくウェーブ はじけとんでた夏の日

街が闇に覆われたって
瞳の奥にはいつも光が満ちてる

ふりむいてみてごらん 僕らの足跡は 
夕暮れの風に吹かれて 重なりあってるよ
ふみだしてみてごらん 僕らの足跡は 
それぞれの夢を描いて いつかまた巡りあうよ

ありふれた友情 ありふれた恋愛
それでも悩んだ精一杯 ありふれた答えで割り切れず
昼下がりのステージ 歌ってた表現祭
調子っぱずれのハーモニー 盛り上がったよね秋の日

冷たい雨に凍てついたって
一緒に歩けば ほらこんなにあったかい

ふりむいてみてごらん 僕らの足跡は 
遠ざかる陽射しを浴びて 重なりあってるよ
ふみだしてみてごらん 僕らの足跡は 
いくつもの夢を描いて きっとまた巡りあうよ

解けない問題 二時間粘って
やっぱり才能ないのかなぁって独り言つぶやいてる
放課後の教室 間違いだらけのプリント
窓に映る横顔 大人になってく冬の日

未来がはっきり見えなくたって
伸ばした両手は今をしっかりつかんでる

ふりむいてみてごらん 僕らの足跡は 
夕暮れの風に吹かれて 重なりあってるよ
ふみだしてみてごらん 僕らの足跡は 
それぞれの夢を描いて いつかまた巡りあうよ

慣れないネクタイ どうにか結んで
終わりじゃなくって始まりだなんて自分に言い聞かせてる
静まり返ったアリーナ 早すぎた卒業式
照れくさいほどの拍手を受けて旅立ってゆく春の日

時代がどんなに変わっていっても
君と過ごした季節を忘れない ずっと

ふりむいてみてごらん 僕らの足跡は 
遠ざかる陽射しを浴びて 重なりあってるよ
ふみだしてみてごらん 僕らの足跡は 
いくつもの夢を描いて きっとまた巡りあうよ

*巡る季節を詠み込んだ卒業ソングです。
 古今和歌集の編者である紀貫之の歌に「袖ひちて結びし水の氷れるを春立つ今日の風やとくらむ」という、三十一文字の中に四季の移り変わりを詠み込んだ作品があります。春夏秋冬の順ではなく、夏秋冬春の順になっているのが勘所。爽やかな夏から実りの秋、厳寒の冬を経て、雪解けの春へと向かう季節の巡りは、卒業の旅立ちを祝う歌にもふさわしいと思います。
 日本の学校も世界の多数にならって9月始業にすれば良いのではないかという議論は、随分前からあります。確かに留学や国際交流などの利便性を考えれば9月始業は合理的に思えますが、やはり日本の春の卒業式・入学式の風情は捨てがたいとも思うのです。

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