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18年前に留学したおばさんが語ること-若いわたしが学んだのは

2006年当時、日韓関係は冷え切っていた。そんなクラスの最大勢力は韓国人。身構えていたわたし、というのが前回のお話↓

ところが、韓国人のクラスメイトは反日デモで流れていたように日本人に激昂することもなかったし、歴史問題でケンカをふっかけてくることもなかった。
それどころか日本料理おいしいよね! とか東京行ったことある? と好意的に話しかけてくれた。

あの反日デモで声を荒げる人たちはなんだったんだろう? メディアで放送される姿は一部でしかないことを痛感したできごとだった。
韓国人のクラスメイトから、日本人であることを理由に攻撃されたことは1度もなかった。

親切に話しかけてくれたり、韓国のお菓子を渡してくれるクラスメイトを前に、テレビで怒っていたあの人たちの姿は消えていった。
敵意を向けられていないのに拳を握るわけもなく、わたしは韓国の人が嫌いだったなんて少しも思ってなかったかのようにコロッと手のひらを返していた。
韓国人を嫌っていたことは隠しておくこともできたけど、正直に書いておくことにする。

わたしは次第にヤンユーという韓国人と、ランランというインドネシア人のクラスメイトと仲良くなった。なんで仲良くなったのかは覚えてないんだよな……。たしか席が近くて授業や宿題の話をするうちに、考え方や会話のテンポが合うのが分かった。

ヤンユーはお姉さん気質でお世話好き。自分の気持ちや、やりたいことを積極的に話してくれる。
ランランは華僑の家系で中国語を勉強しに来た。ほがらかで行動力があって、おいしいお店や楽しいスポットに詳しかった。

テレビに分かりやすく影響されていたような若いわたしが身をもって学んだのは、「○○人」という先入観をもって人と付き合うのは危ういこと。
国民性というのはあると思うし、前情報として仕入れとく分にはかまわない。ただ、それは傾向の一つであって、その人自身を表すものではないはずだ。

日本人って時間に正確だから遅刻しないんでしょ?
と言われたら、日本人でもいろいろいるよと言いたくなるだろう。わたしもたまに遅れちゃうよ、って。

わたしはヤンユー、ランランと仲良くなったけど、同じ韓国人やインドネシア人のクラスメイトでも、少し話しただけだった人もいる。

結局、日本でも外国でも人対人の関係をどう築いていくかは変わらない。
先入観とか噂話とか取っ払って、1人ずつ向き合ってみないと分からないのだと思う。

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