見出し画像

わたしはガンナガに行けない

わたしと夫は性格が反対の、でこぼこ夫婦。
感情派のわたしと、理論派の夫。
行動派のわたしと、慎重派の夫。
激昂タイプのわたしと、穏やかな夫。
ムネ肉派のわたしと、モモ肉派の夫。

反対だからこそ、補い合ってバランスを取りながらうまくやっていると思う。
鶏肉料理に関しては、ムネモモ両方つくってお皿を分けることで折り合いがついた。

そして夜型のわたしと朝型の夫でも問題なくやってきた。

わたしは朝が苦手だ。
とにかくギリギリまで寝ていたい。
優雅に1時間かけて身支度を調えて歩いて駅に向かうよりも、慌ただしく30分で準備して駅まで小走りで向かう方がいい。
朝型の夫は前者のタイプで、途中自販機に寄りながらゆっくり歩いて出勤する。

そして朝が苦手な人の多くがそうであるように、わたしも朝から重いものは食べられない。
もともと食パンを1枚食べていただけだし、今は16時間ファスティングダイエットをしているからコーヒーしか飲んでない。

だが朝型の夫は寝起きにラーメンを食べられる人だ。
週に一度はとんこつを摂取しないと禁断症状が出るといって、義務のように通っている。

行く先は「ガンナガ」だ。
元祖長浜屋(家)という、言わずとしれた福岡の有名ラーメン店。
夫が行ってるのは「ケイチ」ーーというのは分かる人だけ頷いてくれればいい。

せっかく福岡に戻ったんだからと何度かモーガン(モーニング ガンナガの略。朝にガンナガを食べること)に誘われたが、「朝からラーメンは食べれんて……」とでこぼこ夫婦の意見の相違が出てしまった。

有名店だけあって、ガンナガはお昼時にはいつも行列になる。
夫は週1食べるほど好きなのに、並んでまで食べるほどうまくないと言ってお昼には行こうとしない。もっとおいしいとこ行こうって言ってくる。

お昼時に1人で行けば? という意見もごもっとも。
一般的な(?)お店なら1人ラーメンもできるのだけど、「ベタナマ」や「ナシカタ」なんて呪文がとんで、タレ入りヤカンという謎アイテムのあるお店は、やはり連れがいてくれないと心細い。

ガンナガには朝しか行けない。
でも、朝からラーメンは食べられない。
そんなわけで、わたしはいつまでもガンナガに行けない。

この記事が参加している募集

#ご当地グルメ

15,872件

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?