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「繰り返す失敗」


薬物リハビリ施設に入所したのは21歳の時でした。
少年院から出てきて1年も経っていませんでした。
少年院出院後は、免取りになった車の免許を再取得するために教習所に通いました。仕事もアルバイトから始めて、やり直す気持ちでいました。

ある時から幻聴や妄想が始まりました。フラッシュバックでした。

教習所やアルバイトも辞めて、暗い部屋に閉じこもり頭の中に聞こえてくる声が現実のようになってきました。幻聴で聴こえてくる世界と現実が入れ替わってしまったんです。夜になると家を出て友達のところに行くけど、友達も自分を避けているように思いました。

家族はそんな生活を見て、また薬に手を出したと思ったほどです。

そして父親に連れられて、薬物リハビリ施設に入所することになりました。

施設で最初にしたことは、プログラムの時間以外は寝る、ことでした。とにかくひたすら寝ました。

本心は不貞腐れていたのかもしれませんね。
塞ぎ込んでいたんです。人生つまんねーって。なんでこんな生活を送らなければならないのかと思いながら、自分の状況が見えてきたんですね。頭がイカれた、施設に入れられた、精神病院に入ったこと、など。

それでも立ち直れるような前向きな気持ちにはなりませんでした。

施設ではそれでも大丈夫だったんです。私は完全に殻にこもりました。

愛想笑い、話は聞いてるふり、運動の時間はしんどくて、嫌々やってました。

そこから2年目くらいに、少しずつ殻から出てきたわけですが、調子が良くなればなったで、切り詰めた生活保護費を貯めて、風俗に行きました。
日曜日のセルフケアの時間はそのための楽しみに変わりました。

お酒や薬をやりたいとは思わなくなったけど、風俗に通うようになりました。

プログラムや自助グループにも毎回参加していたけど、施設のプログラムだからです。

16歳の時にも少年院に入りました。その時も中で積極的に活動するよりは、殻に篭るタイプでした。黙って真面目にやってれば外に出られる、という我慢で乗り越えただけです。

自分の成長や変わりたいという気持ちがなくて、ただ施設に入れられたからそこで時間を過ごし、時が経てば出て行けるといった考えです。

そのような取り組み方には成長は生まれません。
現実を受け入れる力が弱かったと言えばそれまでですが、後ろ向きな気持ちからは何も生まれませんでした。

たとえ塀の中であれ、施設の中であれ、自分自身と本気で向き合い、必死で考えて、生きて、それでこそ乗り越えていくと言えるものなのかもしれません。
楽しむということができなかった自分にとって苦痛で、それを満たす手段が風俗であったという情けない話です。

誰かに言われたからとか、周りもやっているからとかではなく、自分でやり直すことを決断し、前向きに取り組む覚悟がなければ、また人に流されて同じことを繰り返してしまうでしょう。

自分には無理だと思っていても、誠実に自分と向き合う人生にイエス・キリストはあなたを探し出し救いに導くと信じます。

いつまでも後ろ向きな気持ちでは、どこで過ごしてもうまくいくことはありません。


祝福がありますように。

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