みずのほ

物語や詩を書いています|なべてすべてよ、うつくしくあれ

みずのほ

物語や詩を書いています|なべてすべてよ、うつくしくあれ

最近の記事

  • 固定された記事

足跡

(好きな詩を自分なりに訳してみました。誤訳や掲載に問題等があれば教えてください。) ∞ 足跡 マーガレット・フィッシュバック・パワーズ ある夜、わたしは夢をみました。 わたしは神さまと共に渚を歩いていました。 暗い空に、わたしの人生の場面場面が、映し出されていました。 どの場面でも、砂の上に、二人分の足跡があることに、わたしは気づきました。 一つはわたしの足跡であり、もう一つは神さまの足跡でした。 わたしの人生の最後の場面に差しかかったとき、わたしは砂の上の足跡を振り

    • しわ

      燃えに燃え 尽きに尽き ろうそくは ごくわずか ともしびは もう消える 希望だけ 愛だけを 見たいのに 皺ばかり 照らされる 生きてきた 年輪だ 曲折の いとしさだ お別れだ さようなら ありがとう だいすきだ だれよりも きみだけを 愛すのが ぼくだった

      • 生花

        生きている人にも 亡くなった人にも 神にも仏にも 捧げることができる 花は優しい 無量なまでに

        • 影おくり

          こもれびのように揺れる影 あるいは影絵にも見える あれは 心の陰影だ はるか遠くに 太陽の如 まなざせば 眼を灼く光源があり 破れかけた心を 幾重にも透過する 光も影も 美しくても 射られて 見てはいられない 目を瞑る 目を瞑る 目を瞑る まなうらの残像を追いかける

        • 固定された記事

        マガジン

        • 詩集 ことばすくい
          35本
        • 詩集 こころね
          32本

        記事

          孤影

          揺らめく影は こころの輪郭にもみえる 濃くなる影は こころの深みにもみえる 路傍の薺も 転がる石も 必ず落とす影がある 闇に紛れる影をもつ さびしいが さびしくはない だれもがひとしくひとりなのだ

          理由

          花咲くように綻び 実の生るように結ばれ 落葉のように降りつもる あとからあとから だから生きてきたのかと 幾重にもあなたに出逢うためだったと

          青写真

          憶えてはいないことを思い出す 意識の底で ふいに覚える いのちを運ぶ 青写真 どうしてここに 生まれてきたか 生きてきたのか これからいかに 生きていくのか 生きられるのか 何度でも 幾重にも 自分自身を 識るために ひかりと めぐり逢うために こたえはいつも 生まれてきたか 生きてきたのか 問いをいつでも 生きていくのか 生きられるのか

          有明

          光をなくし ひっそりと 朝方沈む まるい月 夜勤明け 俄に月を同志と思う 眠れるひとの胸の上下を 見つめつづけた常夜灯 この世でいちばん愛しい仕事 わたしもいつか 月になる 地球はいつか 月になる

          シーグラス

          砕けた欠片の 波に洗われ 摩耗して 擬態はしても 石とはちがう シーグラス おまえのこころも そうなのか 想いの波に疲弊して 干からびて 光をなくし 水の戻りに ほんのひととき 透明を思い出す

          シーグラス

          認識は救済であり 創造は浄福である

          認識は救済であり 創造は浄福である

          わたしの先生

          手紙① ぼくの日 いつもありがとうございます。 わたしは、これまで何通も先生にお手紙してきました。書き出しは、いつも、「いつもありがとうございます」でした。正直なきもちでした。先生は、お気づきでしたでしょうか。 そして先生も、いつもにこやかに、「いつもありがとう。読んでいます」と受け取ってくださいました。どれほど嬉しかったか。 さて、わたしは、自分が初めて先生にお贈りした拙歌を憶えています。 「晴れた今日 誕生日でもないけれど 世界がきれいだから ぼくの日」 先

          わたしの先生

          グノーシス

          何者かから 祈られて いまのわたしは ここにある 高揚と同時に 安堵する 識ることは 済いである 風は 未来から吹いてくる

          グノーシス

          みずのね

          ほろりほろり きみの指から みずのねのような 青い音がこぼれる 沈黙よりも 静けさを湛えた きみのこころの ひとかけら なのに遠のいて 青めいて 瞬いて 悲しくはないはずなのに 物悲しい あこがれと まぼろしは 同時にあって 希求する魂だけが 確かさを告げ知らす

          美しくする

          鏡を磨く 襟を糺す 一篇の詩を書く わたしは わたしの生活を 美しくできる わたしの人生が 美しいかは わからないが 人生のひとかけは 美しくできる 美しくする

          美しくする

          信と愛

          裏切られても 裏切られても 信じるのが 信じるということ 欠けていても 欠けているからこそ 愛するのが 愛するということ 信も愛も きみのいのちも 唯一の条件は 無条件ということ

          あれは 愛ではなかったか

          ただひたすらに泣き暮れた日々 あれは 愛ではなかったか 落下を受けとめた透明な手 あれは 愛ではなかったか どん底で跳ね返す苛烈な光 あれは 愛ではなかったか だれかに祈られて目覚めた朝 あれは 愛ではなかったか

          あれは 愛ではなかったか