見出し画像

エッセイ「魂友ミーティング」in京都 

 私には、魂レベルで繋がっている「魂友(たまとも)」が、何人かいる。その中の一人Hさんとは、以前から知り合いだったのだが、コロナの燻りがはじまる2019年1月に再会し、すっかり意気投合して、急激に親しくなった。年齢が近い(彼女の方が三才年下)という同世代感覚、事業を長年している地に足がついた考え方、美味しいもの・楽しいこと・オシャレ好きという女子なところも気が合った。

 だが、もっとも驚いたのは一緒に仕事をすると『あ・うん』の呼吸でできるのだ。彼女の人柄の良さと能力の高さのお陰というのを差し引いても、この感覚は何だろうと思っていたら、過去生で5回も共に戦った戦友だった(長典男先生による)と聞いて合点がいった。スペイン艦隊を襲撃したポルトガルの海賊同志だったり、古代中国で軍師仲間だったり、ローマ・ギリシャ戦争の兵士群だったりと、ずっと男性同士だったというから「だから、二人とも中身は男性なのか」とそんなところも納得だ。

 先日、そのHさんと、ほぼ一年ぶりに京都で会った。
 待ち合わせの阪急河原町駅の改札にいると、手を振りながらやってきた彼女を見て、お互いに笑ってしまった。

 「同じような色の服着てるー」
 「シンクロしたねえ」

 ブルー系のファションが多い彼女がオレンジ系のブラウス(下はモノトーンのパンツ)、私も珍しくサーモンピンクの麻のワンピースと、まさかオレンジ系がかぶるとは、さすがチャネラー同志と言っておこう。

 小雨の中『建仁寺』へと向かう。
 『建仁寺』は、京都最古の禅寺で、法堂の天井画「双龍図」が有名だ。潮音庭、〇△□乃庭、重要文化財も多く見どころ満載だが、今回のお目当ては『風神雷神図屏風』(国宝)、俵屋宗達の晩年の最高傑作。本物は京都国立博物館にあり、企画展の間しか公開されない。建仁寺に置いてあるものは複製なのだが、これがただの複製ではない。

 キャノンの最新のデジタル技術により、微妙な風合い・色・質感・水墨画の濃淡や陰影までもが再現され、世界最高のプリンティング技術により、独自に開発された和紙に印刷。さらに、伝統工芸士による金箔・金泥・雲母の再現から表装までされたアート作品なのだ。すごいな、キャノン。
 あらためて『風神雷神図屛風』を観ながら「よくこんな大胆な構図を思いついたものだ」と感心し、金箔の豪華なエネルギーを堪能した。

 次に向かった『両足院』では、ちょうど半夏生が満開。一面の緑の中に白い小さなお花と白く変化した葉、透明感のあるみずみずしいお庭に心洗われすっかり清められた。

 そして行きたかった「長楽館」のカフェに移動。「長楽館」は、歴史ある明治の洋館で、家具調度品も含めて京都市有形⽂化財の指定を受けている。外観はルネッサンス、中にはいると、ロココ、ネオ・クラッシック、アールヌーヴォー、中国、和、米風、とあらゆる芸術様式が取り入れられ、どこを見ても美しくインテリア好きは気分が上がる。

 案内されたのは「美術の間」。
 建築当時は美術室として使われていた部屋とのことで、現役芸大生の私にぴったりだ。 壁にかけられた紫陽花の大きな油絵(京都の画家・中村白玲作)が、圧倒的な存在感と落ち着いた空間を演出していた。
 サンドウィッチを食べながら、会えなかった間の体験した話をする。
Hさんの体験は、めちゃくちゃスピリチュアル、起きることのスケールが大きくてさすがである。来月はいよいよ長年の夢だった『瞑想の先生』になるために、タイに二か月半行くことになっている。

「八週間・九週間・十週間ってあって、どうしようかとカードに聞いたら、圧倒的に十週間の答えがよかった。これは、十週間で行くしかないでしょ」

 という彼女の選択も潔くて、男らしくて気持ちいい。
 おまけに、滞在中にお誕生日(サイクル1に入る)があるというのが、またトピックが立ってて素晴らしい。
 私も、長年の夢だった芸大に行くことを思い出して、直感に従って文芸コースに入り、学んでいるうちに、不思議なご縁が繋がり、今までの経験が全て活かせる『次の目標』が見つかり、取り組み真っ最中という話ができた。     同じようなタイミングで、次のステージに向かっているのが、これまでもここからも自分たちの王道だったねと讃えたい。

 こうやって書くと、Hさんも私も、自分らしい道をまっすぐスムーズに歩いているように聞こえるかもしれないが、ぜんぜんそんなことはないのだ。魂磨きは、大変な思いや痛さが伴う修行だ。

「なんか、もやもやしてて、やる気がでない」
「こうやって言われて、手放すしかないと決めた」
「やってみたんだけど、どうも違ったみたい」
「いやあ、自分の至らなさを実感した」

 と、暗中模索だったり、五里霧中だったり、試行錯誤だったり、当たって砕けろだったりして、雨垂れ石を穿つように少しづつ現実が動いていった様子を、お互いが知っている。だからこそ、お互いが励みになるし、通る道は違えど、目指す先は同じだと確信できる。

 とはいえ、まだまだ途中なので、何が待っているかわからないが、
6回目の再会である今回の人生が、女同志で本当によかったと心から頷く。
『魂友ミーティング』が、武器を持って戦場にではなく、美味しいもの・楽しいこと・おしゃれ・素敵な場所を楽しめる女子会なのが嬉しい。
 すこしだけ、ふたりの魂が成長したということかもしれない。

長楽館の美術の間


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?