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【ありがとうキラメイジャー記念】誰もがキラメンタルを持つ世界になれたら

2020年を駆け抜けたキラメイジャーが、つい先日(2/28)終了してしまいました。
率直に言ってロスなので、今回は1年間通しての感想をつらつら書いていきたいなと思います。

王道のレッドから異色のレッドへのバトンタッチ

前作「リュウソウジャー」は、モチーフ然り、レッドの性格然り、コウはめちゃくちゃにレッドだったなあと思うんですよ。
アツさとか、強くなっていく感じとか。

そこから、今作「キラメイジャー」のレッドは一見正反対。絵描きだし、おどおどしているし、「いやいや自分なんか」っていう感じだし。性格的なところでそういうレッドがいなかったかといったらそうではないのかもしれませんが、やっぱりレッドといえばガンガン引っ張るみたいなステレオタイプはあると思っているし、実際そういうレッドが多いかなと感じているので、充瑠君は結構珍しいタイプだと思いましたね。

でもこの1年、振り返ってみたら、「今の時代のレッドってこれじゃない?」って実感できる、素晴らしいレッド、素晴らしいリーダーでした。

物語のテーマ通り、「好きなことを信じる力」。自分なんかって謙遜はするけど、自分自身が何かをひらめいて絵を描く、っていうのはもうめちゃくちゃ大好きで、上手い下手とか神絵師かどうかとかそういうは置いといて、楽しい!好きだ!っていうことはどこまでも信じているんですよね。
好きなことにまっすぐな姿ってこんなにキラキラしているんだって、見せつけられました。

好きだからこそ、まっすぐ向き合える。そして、好きなことと向き合うワクワクを一直線にぶつけるからこそ「ひらめキング」という力が生まれるんだと思ったんですよね。そして、そんな姿と力を、周りのみんながちゃんと認めて、仲間に加える先輩キラメイジャー。特に、リーダーポジションのいがみあいで数話やるのかと思ったら、相手のいいところをスッと認める為朝が印象的でした。参謀は変わらず為朝で、でもいざというときのジョーカーになるのは充瑠。いいバランスだったし、いい役割分担だったと思うけど、最後まで仲間割れせずに進んだのは本当に素晴らしいと思います。

キラメンタルを持っているから、相手のいいところはちゃんと認められる

仲間割れしなかった、という話をしたので、今回のタイトルに関連する話を早速していこうと思います。

キラメイジャー、1話まるまる仲間割れ、みたいな話が全然ないんですよ。それがすごい。敵の力で操られてラップバトルしたときくらいじゃない?
仲間割れって物語性を作りやすいし、その後の関係を強固にしやすいのでお決まりのルートのひとつだと思います。でも、それがなかった。

制作陣の考えとして、2020年はハードな年なので、そういうものは書かないようにしよう、みたいなそういう意識が働いていたのかもしれません。が、私自身は、「キラメンタルがあるからこそ、仲間割れの必要がなかった」んじゃないのかなと思いました。

キラメンタル=好きなことを信じる力。
としたときに、自分自身がキラキラ輝いて、自分自身が「好き」なことを信じているわけです。そして、それを誰かが認めてくれている。
人に対する僻み、妬みというのは、ガルザの例がいいように、「自分が認められない」というところが発端となって生まれるものだと思います。もちろん、誰にも認められない、という他者意識の側面もあるとは思いますが、それというのは「自分自身が、自分のことを信じられない」ことの裏返しとも言えるわけです。まあ、ガルザの邪メンタルは全部ヨドンのせいだったわけですが。

でも、キラメイジャーのみんなは、自分自身が好きなことを、それが好きな自分のことを信じているわけです。
だからこそ、自分は自分、相手は相手で受け入れられる。自分が好きなことと相手が好きなことは違うわけで、相手が好きなこと、相手が長けていることに対して、「すごいね」って言えるんだろうなと思います。

また、充瑠君がクランチュラと仲良くなったり、ガルザのアイデアを「かっこいい!」と絶賛したり、そういうのも自分の好きなことにまっすぐだからであるなと思いました。敵だし、良くないことをしているのは許されない。でも、それはそれとしてアイツの作ったものは最高にかっこいい!
今作においては、それが「ガルザはきっと根は悪いやつじゃない」という方向につながっていったわけですが、きっとこの作品の本質はここだけじゃないんだと思うんです。相手に対して怒ることと、相手の生み出した成果や功績を称えることは両立する。それもきっと大事なことなんじゃないかと思います。

翻って、今後自分が何度も立ち返るであろう問いに出会ったなと思います。
・私は、自分が好きなことを信じているだろうか?
・相手のことを認められるくらい、自分の「好き」の力を信じられているだろうか?
常に問い直して生きていきたい。

今までの考え方にとらわれない考え方

仲間割れしない、というのもそうかもしれませんが、最後に、これもまたキラメイジャーらしいところである、これまでの常識にとらわれない解を出していく物語構成にも触れていきたいと思います。

キラメイジャーのことをふわっと語るとしたら、「令和が生んだ!」とか「令和のヒーロー」とか年号付きで語られることが多くなると思いますが、それに恥じない進行だったなと思います。
これまでの「当たり前」を壊して進めていく物語がとても魅力的でした。
先にお話した、「仲間割れしない」もそうかもしれません。

特に象徴的なのは、「限界は超えないためにある」。
ヒーローは、何かしらのタイミングで自分が持っている以上の力を出そうとしたり、限界を超えようとして人間でなくなったりするものですが、キラメイジャーは必ずしもそうしないわけです。
ヒーローでありながら、「限界があるなら、そのなかでできることを考えようよ」という考え方で、しっかりと戦い続けていくわけです。

もちろん、負荷がいらないという話ではありません。キラメイジャーたちはそれなりに努力をすることを知っているでしょう。でも、負荷をかけすぎてしまうと、強化ベチャットのように潰れてしまう。
この世の中、無理をして潰れてしまう人がそれなりにたくさんいるわけです。でも、限界まで使ってしっかりやったら、成果は出せる。しかも、ひとりじゃないし、みんなで頑張ったらいいじゃない。

無理をすることを否定しないけど、無理をすることだけが美学じゃない。
当たり前だけど、舵を切るのは難しい。そんな道を勇気を持って示してくれたなあと思います。

キラメイジャー関連noteはこちら

まだまだ言葉は尽きないですが、今回はこのくらいで筆を置こうと思います。
ありがとうキラメイジャー!

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