塩田千春展:魂がふるえる 「糸」の表現から見えるもの
あーーーもっと早く行けばよかった、とまた後悔することになった「塩田千春展 魂がふるえる」。
もともと、塩田さんの作品は、瀬戸内芸術祭の豊島で見た「遠い記憶」がすごく印象的だった。窓枠を使って「通路」をつくったもの。
副題の「魂がふるえる」には、言葉にならない感情によって震えている心の動きを伝えたいという作家の思いが込められています。(森美術館HPより)
ほんと駆け込みで鑑賞してよかった…!「言葉にならない感情でふるえる心の動き」。これがすごく伝わってくる展示だったので。大きく心を揺さぶられたものを、写真で残しておきます。
入ってすぐ、赤い糸に覆われた展示室。
彼女にとって糸は何を表すものなんだろうな〜と考えながら観た。
自分たちの行く先を示すものなのか。
森美術館ならではの大きな窓を活かしたインスタレーションも印象的だった。ミニチュアで表された世界は、机と椅子が糸で結びついていたり、タンスがぐるぐる巻きになっていたり。背景の高層ビルとの対照が面白い。
「誰もいない」という不在をつよく感じさせる展示も。
「不在」や「死」をテーマにしたボルタンスキーと、受け取る印象が似てるなぁとも感じた。
真ん中に鏡がある?? 見ているとクラクラして不思議な気持ちになる作品。
圧巻のトランクのインスタレーション。
わたしはアウシュビッツの博物館で見た、ユダヤ人のトランクを思い出した。ダークツーリズムについて書いた記事のトップ画像に選んだぐらい、印象に残っているもの。
「あとで返す」と嘘をつき、名前を書かせ、ナチスが収奪したトランク。
持ち主が見当たらないのに、不思議に揺れるトランクたち。果たしてどこへ向かうのだろうか。
とにかくおすすめの展示。27日まで(…ぎりぎりでほんとすみません…)。
当日券買おうとするとめちゃくちゃ並ぶので、ネットで買ってくのマストです。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?