Together again
お久しぶり。
Ｔ兄は３ヶ月前無事に帰還。ポーズされていた新婚生活が再スタート。というか、まったく新しい状況と言える現在。
会わない年月のあいだ、お互いに結構理想化していた。私の方はかなり。よって、目の前に実際にいて、失敗したり失言があると
（ムキー💢❗️思ってたんと違う❗️）とケンカになったりした。
気ままな割に世話を焼きたがってはすぐバテるオーバーエモーショナルな私、
社交的だけど身内にはシャイで思慮しまくる社会的理想の高いＴ兄。
自分とは好みが違う、とはっきり言われても今の私は凹んだりしなくなっていた。
それは当然のことだと考え受け入れるが相手を責めも自己卑下もしなくなっている。
始めるんだよ、
まいにち、ゼロから。
壊すんだ、
まいにち、ゼロに。
かれ、もしくは私がふとお互いのそばやこの世から去っても、それすら当たり前ともう知っている。
だからそのハートを掴んでギューギュー握りしめたりはしない。
男子のこころは大抵、卵のようにやわらかで羽根のように繊細と心得ている。
壊してきたのは大抵、がさつな私の方だった。
鏡、鑑。
かがみがよくご神体になるのは、そこに己自身を映すから。
良くも悪くも。
そこに自分を映して我を取ると……
かがみは神（かみ）、になるのだそうだ。
我欲。我。
かれをどうこうしたい、どうこうなって欲しい、こう言って欲しいああして欲しい。
それをすべて取り払った。簡単だった。
そんな他の期待が何度かれや私を傷つけだめにした？
なら私はもうしない。
私は我を無くし、かれを眺め、そのくせ私の中心を見ていた。そこにはいかようにも変貌する私のアニムス兼案内役のトカゲがリラックスして笑ってた。白い服を着て。なあに？あなたって天使もやるの？
「まあ、なんにでも、なるから。
で、どうなってもOK？」
OK。
「それでも好きか？」
ウン好き。
「いま幸せ？」
私はほぐれるように微笑んだ。
夜毎、かれの寝息が聞こえる。
うそでしょう？
本当に本物？
そっと足なんかに触ってみる。
温かい肌。
本物だ。
嬉しい。
目の前で生きて、動いて、話し、新しい人生を自身で始めようと動き始めたＴ兄。
Ｔ兄は一見気難しくてベタベタしたりはしない。でも万難辛苦を乗り越え帰ってきてくれた。かつての天邪鬼はとても小さくなっている。
あまったれで泣き虫のゲラで外で働くのが難しい私だけど、長いこと一人で住まいと心身を自ら守ってきた。ことに魂を育てることに余念がなかった。
先週、大喧嘩した。
でも私が悪かった。気持ちよく負けた。三蔵に調伏されしんしんと諭される妖怪みたいに。
と、気付かなかった自分の固い鬼皮がスルッと剥けて新しい私がまた生まれた。
というわけで、大酒飲みをいきなり卒業して控えめな酒徒になってしまった水宮（Ｔ兄はそんなに飲まないのだ）。
何十年もの大酒飲みに、自分が何の未練も無いのがまた痛快。いや、少しだけは一緒に飲むけど。
変わるのってカンタン。得意なの。
雨音を二人黙って聴く。
陽光の虹の中を笑って二人、いる。
何があっても、私はよかったと思う。いまこの瞬間もこの先も。
尊敬できるひとと結婚できて、ついにそばにいられるようになったのだから。
かれの魂は育っている。
私の魂もすくすく育つ。
先は分からない。
でも任せといて。ワルも品行方正も無邪気もシャイも優雅もワイルドもひっくるめて、お互いやっていく。
コツがやっと分かってきたの。面白くなるのはこれから。
こんな幸せになるなんて。
こんなに毎日静かにわくわくするようになるなんて。
分かってたわ。友達はみんな胸の中で笑ってる。生死もあらゆる壁も越えて。それが私の王国。
かれの中でもきっとそう。
最大限の尊重をもって、愛しい隣国のあなたよ。
愛してる。
晩ごひんはBBQポークですよ🐈
↓a song called 【Flying Home】
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