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変わり目の、ある一日について

こんにちは。


朝起きたとき、首元に汗を感じないことを嬉しく思う今日この頃です。布団を一度肩まで被ってさらさらした空気を楽しんで、ちょっと二度寝をしてみたり。気が済んだら起き上がります。


まずは深呼吸をしましょうね。家の対角線上にある窓を大きく開け放しておけば、これで清風の帯のできあがり。
空を見上げたらイワシたちが並んでいました。ぼくが風流人であればここで何か考え事をすることができたかもしれませんが、生憎ただの食いしん坊なものですから、お腹をグウと鳴らすことしかできませんでした。朝ごはんを食べましょう。


冷たいものが大好きだからアイスコーヒーを飲みます。アイスコーヒーは今日も変わらず、カチチと鳴って涼を運んでくれました。焼いたパンを持ってアチチと言いながら、ぼくは今日と明日のことを考えます。これをして、あれを済ませて。「明日も生きている前提でものを考えるのはどうして?」と、今にも消えてしまいそうな結晶たちに問われて困ってしまったから、口に含み噛み砕いてしまいました。ごめんね、それは君に問われるんじゃなくて、自分自身で問いたかったことなんだ。


とにかく、今のぼくは元気だからやるべきことをやらなくてはいけません。キーボードを叩きます。ブルーライトカットメガネが欲しいなあと思ったとき、また今年もサングラスを買えなかったことに気づいて悲しくなりました。似合わないことはわかっているけど、なんとなく憧れてしまうのです。


ぼくはすっかり白くなってしまいました。内面のことではありませんよ、心は昔から薄汚れています。白いのは自分の腕です。昨年はたくさんおでかけをして小麦色になっていたのに、今はもうすっかり消えてしまったのが少し寂しい。
暑いのは好きではないけど、暑い日々の記憶のことは好きです。日焼け止めの匂いと汗の流れを感じながら、この腕に思い出を刻んでいくのが好き。今年も楽しいことはたくさんあったけど、でも、ね。


すっかりおセンチになってしまったのは、この空の高さのせいにしておきましょう。空が高いなんて言われたら、嫌でも儚さを感じてしまいます。
空が高いって、誰が言い始めたんだろうな。この表現がなかったら、ぼくはこの空を見たときに何を思っていたのでしょう。ぼくのことだから、ガリガリ君食べたいなあとしか思わなかったかもしれません。


おセンチに「なってしまった」と書いたけど、感傷的な気分に浸ることは好きです。途中でガリガリ君に邪魔されてしまったから、気を取り直してヨルシカの『言って。』を流しました。うんうん、いい感じです。気持ちよくなって、一緒に歌い出します。間奏のギターも「トゥルトゥルトゥルルトゥ、トゥットゥトゥール」と真似して口ずさみます。そして、歌い終わった後で、窓を開けていることを思い出したのでした。


気を取り直してお昼寝をすることにしましょう。お昼寝は素敵です。部屋の窓を少し開けて薄暗い夕方の部屋に横たわると、懐かしい気持ちになります。遠くで誰かが笑う声が聞こえてきました。ランドセルの金具を鳴らしながら走り回ることの楽しさは、もう味わえないんですね。


それではこのへんで。ぼくは一休みします。
今年も、この短くて愛しい日々を楽しめますように。



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