Longevity Fundの投資先は研究に値する②
前回のnoteに引き続き、Laura Demingが率いるLongevity Fund(https://www.longevity.vc/)が出資した企業を調べてみる。
何故調べるのか?その理由は3つある。
1つ目に、長寿テックは今後最も重要なテーマになるので、今の時点でビジネスとして走っている会社のビジネスモデルが知りたいから。
2つ目に、長寿テックの最先端はアメリカだし、ピーター・ティールと共にローラ・デミングが今最もその分野で投資を表明している投資家なので、彼らが考えていることが知りたいから。
3つ目に、この記事およびブログの読者に対して啓発を行いたいから。
PRECISION BIOSCIENCES - Gene editing. (IPO 2019)
テクノロジー:ゲノム編集技術
ソリューション:癌治療
時価総額:2.75億USD(2022/01/27時点)=約300億JPY
NAVITOR PHARMACEUTICALS - mTOR modifiers.
テクノロジー:mTORC1(※)の特定の変調
※mTORC1・・・タンパク質合成を制御するタンパク質複合体。細胞の増殖や代謝を調節する酵素。
ソリューション:うつ病、心不全、慢性腎臓病、多発性嚢胞腎などのあまり一般的ではない遺伝性疾患などの根底にある疾患プロセスに対処する
未上場
METACRINE - Farnesoid drug development. (IPO 2020)
テクノロジー:2,500を超えるFXR化合物(※)の独自のライブラリ
※FXR化合物・・・核内受容体の一つであるFXRを介する化合物。
ソリューション:胃腸(GI)および肝臓病の治療
時価総額: 1308.51万USD(2022/01/27時点)=約15億JPY
まだ臨床試験が完了していない(実際に治療に用いられていない)薬の開発を行なっている企業も上場までしているのはバイオテクノロジー企業の大きな特徴の一つですね。これは、権利をすでに獲得しているプラットフォームが将来的に大きな影響力を持つ見込みが期待されていることを意味しています。
それにしても、Longevity Fundの投資先はIPOまでこぎつけているケースが多いですね。
IPOの見込みがすでに高いフェーズでの投資を積極的に行なったという見方をするのは簡単です。ローラ・デミングまたは別のパートナーの目利きが優れているか、あるいは老化に関連する疾患の治療を掲げるプレイヤーがそもそも少ないけれど市場の成長性や期待が高いなどの予想を立てることもできるでしょう。
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