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温泉街のソープランド(風俗街)と廃墟ホテルについて考えた話

温泉観光地とセットになっているソープ街や廃墟ホテルについてぼんやり考えてみた話です。特に有益ではないので暇つぶしにどうぞ。


全国各地、有名温泉街のソープ街を調べた

以前、仕事の関係で日本全国の有名温泉街のソープランド求人について調べたことがある。

▼記事はこちら。有名な片津山温泉、おごと温泉、道後温泉、皆生温泉その他について書いてます。

東北から九州まで様々なエリアの温泉風俗街があり、調べるうちに「がんばれ~!」という気持ちになった。

なぜなら昭和のバブル期やそれ以前は、男性客や団体客がメインなので歓楽街も華々しく共存していたが、バブル崩壊後はファミリー客や女性客、観光地の健全化目的でどんどん衰退している歓楽街もあるようだったからだ。

滋賀県のおごと温泉にいたっては、歓楽温泉として名をはせた「雄琴温泉」の名称から「おごと温泉」というひらがな表記に変えて健全化アピールをしている。そっか…というなんとも言えない気持ちに。
※風俗店さんも地元観光協会さんもどちらのことも応援しております。

ついでに言うと、湯治で有名な草津温泉や湯布院温泉、箱根温泉や伊香保・鬼怒川・下呂・登別などのメジャー温泉にはソープ街がなかった。これについては後述する。

歓楽温泉になる理由とならない理由

※画像はイメージです。

歓楽温泉街ができる理由と、そういうのがない温泉観光地の違いはなんだろうか。

調べていると福島の「いわき湯本温泉(いわきゆもとおんせん)」なんかは1300年以上の古い歴史があるので、昔からこの地域の人々や湯治客の娯楽として花街も栄えたのかなあと思っていた。

温泉がある

宿ができる、人が集まる、町ができる、観光客もくる

花街(風俗街)もできる、そこで働く女性も集まる、町も大きくなる

という感じで共存してきたのかなと勝手に思っていた。

しかし某知恵袋を見てみると、「自然に湧き出てきた歴史ある温泉地には神社仏閣も近くにあったり、皇族が訪れたりして風格を大事にするので風俗街がない。歓楽温泉街になりやすいのはどちらかというと機械で掘り当てた系の近代温泉だ、そういうとこは歴史も観光名所もないし(意訳)」という解説があった。

なるほどそれも一理ありそう。
たしかに、山の中で自然に湧き出た温泉街の近くに、神社仏閣がある地域もあった。あと箱根なんかは「♪箱根の山は 天下の嶮(けん)」なんていう歌もあるくらい険しいので、湯治でもない限りわざわざそんな過酷な山越えまでして風俗遊びしに行く奴はいなかったのかなとも思う。

それに比べてなんだかよくわからない町のど真ん中(平野)にポツンとあるような温泉、あれは機械で掘り当てたやつでしたか。そりゃあ周りはホテルやビルや風俗店などごちゃごちゃ色々あるだろうと思う。行きやすいし。

でもそうすると、千年以上の歴史がある温泉風俗街について説明がいかなくなる。皇室御用達系の理由か?と思ったら道後温泉(風俗街あり)も歴史があるのでこれも当てはまらない。

まあ、場所によりいろんな事情があるんだろう(私は研究者ではないのでいつもこういう雑なまとめ方をして納得したりします、気になる人は自分で調べてくださいませね)。

※温泉(画像はイメージです)

ついでに言うと、温泉自体は山の近くにあって、ふもとの港町のはずれのほうに歓楽街があるパターンも散見した。これなら温泉客(カップルやファミリーなど)に「温泉に来たのに駅からソープランドの看板が見えた…」なんて文句言われる心配もないし、目の届く範囲にないから健全だし、遊びに行きたい人的にも目撃される心配がないから安心である。
両者の間くらいに駅や繁華街(健全)があって利便性も良さそう。これはうまい共存の形だなと思う。

※まったくなんの関係もない話をすると、私は子供の頃、国道から見える「角海老宝石」の看板を親に「あれなんて読むの?何屋さん?」と聞いたことがある。親がなんて言ったか忘れたがずいぶんと「かどえびという宝石屋さん」だと信じていた。(※角海老グループは宝石販売もしてますがソープランド経営とボクシングジム経営が有名なグループです)

バブルとともに消えた歓楽ホテル

※鬼怒川の廃ホテル(画像はイメージです)

話を温泉街に戻す。いくら土地的な問題があるとはいえ、「温泉観光地があるなら風俗街もあるでしょ、温泉だけ生き残るってことはないでしょ」と思ってまた某知恵袋を見ていたら、「バブル期に大手ホテルが歓楽要素を館内に造ったので、温泉街=歓楽街ではなくなった。バブル崩壊後にそういうホテルも消滅=歓楽要素も消滅」とあるではないか。そんなことがあったのか。バブル当時は子供だからそんなこと全然知らなかった。

そして気になる。
「歓楽要素が館内にある」ってどういうホテルだったのかすごく気になる。

少し検索してみると、200人以上収容可能な大型宴会場(ボールルーム)、露天風呂…という情報は見つけたが、これは普通に大型観光ホテルなら備えてそうな設備なのでなんとも言えない。結婚式場があればそれくらい収容するだろうし。

子供のころ連れていってもらった観光ホテルは、卓球場やゲームセンターがついていたような気がしないでもないので、ああいうやつの規模が大きいバージョン?

それともなにかこう…もっとキャバクラ的なフロアがあったのでは?ホテルにバーラウンジがついてるやつのもうちょっと色っぽいバージョン!

…と妄想をたくましくするけれど、今や確かめるすべはない。誰か覚えている人いますか?当時の温泉観光地のホテルの「歓楽設備」って何ですか?もしかして宴会場に呼んだコンパニオンさんをお部屋にお持ち帰りできる的なやつの黙認のことですか?今やもうわからない…

と思ったら情報あった!『鬼怒川第一ホテル』(2008年閉業)の非公式サイトによると、大浴場のほかに100名以上収容できる会議室、大宴会場、小宴会場、まあここまではわかる。さらに売店、喫茶コーナー、ゲームコーナー、和食コーナーそして…「カラオケルーム」に「クラブ(スターライト)」とある!

このクラブがまさに銀座のクラブのように、女性キャストが男性客の席についておもてなししてくれる感じだったようだ。

なるほど、ホテルの外に行かなくてもゲーセンもあるしキャバクラもあって酒が飲めるし接待もできる、カラオケもできるから誰も外に出ない。外に歓楽街がなくても問題ない。客的にもこれだけ充実してたら、風俗はまあ…どこか山を下りてからでいっか!みたいな感じだったのかなと思う。

自分だけ一強になればいいってもんじゃないんだな、地域との共存って大事なんだなと思った。なんか色んなことに当てはまる気がする。

ちなみに今は廃墟となっている『きぬ川館本店』は、なんとヨルシカの『パレード』という曲のMVに使われたらしい。

※こういう場合はちゃんと許可をとってると思うんですけど、個人が勝手に入ると建造物侵入罪とかになるので廃墟には入ってはいけませんよ。何かを持ち去ったら窃盗、ガラス窓を割ったら器物損壊でアウトです。あとアスベスト問題とかあるようです。廃墟、行っちゃダメ、絶対。

共存共栄するか、歴史に消えてしまうのか…

今ある温泉歓楽街も、これからの歴史の波に揉まれていつ消えてしまうかわからない。そうなってから「あのとき遊んでみればよかったな」と思ってももう遅い。

風俗ユーザーの男性は、連休の時にでもちょっと温泉で疲れを癒しつつ、歓楽街を散策してみてもいいんじゃあないかな。いつか懐かしい思い出に変わる日が、きっと来る気がする。

それでは。

▼もとはこういう記事から派生したお話でした。

▼善良な市民なので侵入はしなかったけど、廃墟を見つけた話もあります。


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