見出し画像

てぃくる 825 夏のあとさき

下りてくる夏を受け止める
遠ざかる夏に取りすがる

(マテバシイ)


夏雲は際限なく膨らみ続ける
夏雲が白く丸く凝っていく

木々はきままに立ち上がり周囲を見下ろす
木々がどれほど背伸びしても天には届かない

虫は誇らしげに羽音を響かせる
虫の羽音は残夏の焦り

盛夏に渇き、水を求めて晴天を見上げる
雨で失われていく夏の、青の破片を空に見る


ひぐらしや 日記の白紙また一枚

(2021-08-31)

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?