てぃくる 933 いい耳
いい耳だねと言われて、耳の形がいいのか聞き分ける能力のことを言われたのか、わからなかった。
よく考えてみれば、体のパーツはそのものの価値とパーツに負わされたイメージとの二面性に常に振り回される。
頭が痛い。頭痛のことなのか悩み事のことか、わからない。
目がいい。視力のことか、物事を見抜く力のことか、わからない。
片腹が痛い。本当に脇腹が痛いのか、呆れられているのか、わからない。
そんなのばかりだ。
もっとも、間違えられると大騒ぎになるケースもある。
首を切られる、だ。失職なら次の職を探せばいいだけだが、本当に首を切られれば命に関わる。
あ、ちなみにわたしは。
聞く耳を持たないのではなく、最初から耳ではないんだ。
良いも悪いもないので、あしからず。
木に耳があるものか 木耳が嗤う
(2022-08-04)
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