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てぃくる

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長編小説『ぐりーんふぃんがーずくらぶ日誌』の幕間繋ぎ用に書き連ねてきた小ネタ集を、独立させました。画像と短い文章の組み合わせ。内容は雑多です。
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#種子

てぃくる 1002 じじいが偉そうに!

「白髪頭のじじいが、俺らを見下ろして偉そうにしてるな」 「しっ! 余計なことは言わんでい…

水円 岳
2か月前
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てぃくる 973 もけ度

「先生、わたし、どうしても美しくなりたいんです」 「ふむ」 「わたし、かつては美しかった…

水円 岳
6か月前
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てぃくる 964 心を隠す

見せてはいけない こころがある 見せたくないのに 見せてしまう 見たくはないのに 見えて…

水円 岳
7か月前
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てぃくる 954 采配を振る

我が国の興亡はこの一戦にかかっておる! 者共っ! 突撃じゃあああっ! さわさわさわさわさ…

水円 岳
8か月前
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てぃくる 930 口を尖らせる

「なんや文句ぅ言いたそうやな」 「何もないよ」 「揃いも揃って口ぃ尖らせてるやないか」 「…

水円 岳
10か月前
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てぃくる 926 昼顔

「俺な、最近気づいたことがあってん」 「なんや」 「昼顔な、君が代に似てるねん」 「ばちあ…

水円 岳
10か月前
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てぃくる 922 カムフラージュ

「見つかっていないだろうな」 「見つかっていません。カムフラージュは完璧です」 「うむ。では、そろそろ作戦を実施しよう」 「あの、隊長」 「なんだ」 「カムフラージュがあまりに完璧すぎて、敵味方の区別がつきません」 「それ以前に、背景との区別がつかんな」 「てか、俺たち本当に存在しているんだろうか」 ◇ ◇ ◇  イヌシデの葉に隠れるようにして果穂がいっぱいぶらさがっています。種子が未熟なうちに目立つメリットなんか何もありませんから、カムフラージュは理にかなっています。

てぃくる 888 紙の王冠

折り紙で王冠を作る 冠を被れば王様になれる 王様はなんでもできる なんでもできれば威張り…

水円 岳
1年前
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てぃくる 869 置き土産

「何か欲しいて言ったの?」 「ううん、なにも欲しくなかったし」 「でも置いていったんだ」 …

水円 岳
1年前
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てぃくる 863 軽くなる

荷物を下ろして 軽くなった 軽くなって すっきりした すっきりしたけど どこか気になる 下…

水円 岳
1年前
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てぃくる 841 きれいごとでは生きていけない

確かに 美しい方がいいのでしょう ちやほやするものが大勢いて 彼らに傅いてもらえるのがいい…

水円 岳
1年前
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てぃくる 812 スカートの中に隠れる

 婆さんのスカートの中に隠れる……臆病者や意気地なしをこき下ろす時に使われるセリフですが…

水円 岳
1年前
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てぃくる 790 サービス過剰

景気悪い話ばっかりやろ? そういう時はけちけちしたらあかんねん。 どばあっと出したらな! …

水円 岳
2年前
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てぃくる 752 世の中と俺

 世の中は甘くないが   俺も甘くない  世の中が俺を締め出すなら   俺は世の中から飛び出してやる  世の中が俺を食おうとする   俺はやすやすと消化されないぞ  世の中が俺を見捨てるなら   俺は自力で芽を出してみせる  世の中が俺を無視するなら   俺も世の中を無視するだけさ  いや、そんなにスネたり、いきんだりするこたあないと思うんですが。  寒風吹き荒ぶ中を黒黒と揺れているのはシラキの残果。果皮が割れて種子が転げ出ると、鳥のえさになります。  果肉はない