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てぃくる

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長編小説『ぐりーんふぃんがーずくらぶ日誌』の幕間繋ぎ用に書き連ねてきた小ネタ集を、独立させました。画像と短い文章の組み合わせ。内容は雑多です。
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2023年4月の記事一覧

てぃくる 862 雪のように白く

雪のように白くなるまで 心を漂白する どれだけ晒しても 白くはならないのだけれど それでも…

水円 岳
1年前
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てぃくる 861 威張りくさる

俺様のお通りだ! どきやがれ!  どえらく威張ってますが、こいつには足があっても動けませ…

水円 岳
1年前
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てぃくる 860 どうしても勝てない

「悔しいよなあ。いっつもじゃんけんに負ける」 「しゃあないよ。俺たち、チョキしか出せない…

水円 岳
1年前
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てぃくる 859 箒になる前に

ぼくらはもうすぐ 箒になる 箒になれば 冬を凌げる 冬を凌げば 箒をやめられる 箒をやめる…

水円 岳
1年前
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てぃくる 858 忘れられている?

 君は忘れられていてかわいそうだねと言われることがある。その度に首を傾げてしまう。  確…

水円 岳
1年前
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てぃくる 857 なぜ赤くなるのか

「寒いから赤くなってるわけじゃないんだよな」 「そもそも温度感じる感覚器官がないから」 …

水円 岳
1年前
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てぃくる 856 迷路

 迷路に踏み込んだようだと先行者に言われて、初めて自分が迷路の中にいることに気づいた。  迷路の中にいると、そこから出なければならないという衝動に襲われる。しかし。その衝動をじっと堪えていれば、実は迷路というのが恐ろしい存在ではないとわかってくる。  全ての道には分岐点があり、分岐点の先は行き止まりであったり他の道につながっていたり……。道は、必ずしも我々を定められた方向に導く整然としたものではないのだ。  我々が迷路の中にいて、なんの不都合があるというのか。迷ってはいけ

てぃくる 855 一雫の蜜

蜜がなければ飢えてしまう 蜜が多ければ溺れてしまう 蜜はほんの一雫でいい 一雫でいいから…

水円 岳
1年前
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てぃくる 854 ぼくは ちがう

こんぺいとうはあまいけど ぼくはあまくない はりせんぼんはちくちくだけど ぼくはちくちく…

水円 岳
1年前
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てぃくる 853 散り日

一日が砕けて 散り日になる 破片は かつて一つだったはず 千々に砕けた今は 元の形が思い…

水円 岳
1年前
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