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「困った行動」に対する対応の仕方

いわゆる「困った行動」と呼ばれる行動は、集団で活動している限りどうしても起こってしまうものです。一日に頻繁に起こることもありますし、同じ子が何度も起こすこともあります。

 「困った行動」は、もちろん減らしていきたいですし、起こらないほうがよいとされる行動です。ですが、その都度注意していても、いつまでたってもイタチごっこですし、だからといって無視するわけにもいきません。子どもに“してはいけない行動”を伝えるのも大人の役目ですから。

 では、どのように対応していけばよいのでしょうか。いくつかポイントを挙げてみたいと思います。


★1:後始末は必ずその場で本人にさせる

 お友達の玩具を壊した、物を投げたなどの行為の後始末は必ず本人にさせてください。大抵の場合逃げたり、嫌がったりしますが手をとって本人にさせるようにして下さい。そのうちに後始末が面倒くさい気持ちや、やりたくない気持ちが大きくなっていきます。そうすると、もちろん嫌な活動を避けよう(しようとしなくなる)としますよね。その結果、付随している(本当はメインだった)「困った行動」も減っていくというわけです。
 言葉での理解が難しい場合には、特に有効なやり方です。


★2:「次はしないでね」の声賭けは大抵の場合無意味

 私たちは、困った行動が起こると、「もうしないでね。」「次はしないでね。」と声を掛けて約束を促しがちです。特に、言葉でやり取りができる子どもに対しては、よりしがちです。大抵の場合、子どももうなづきます。うなづいたり、「もうしない」と子どもが言ったら約束成立、問題解決!…と考えがちですが、甘い、甘い。問題は何も解決に向かっていません。子どもは大抵の場合、何も理解していません。言った最中ら忘れています。言葉という抽象的な媒介物だけで完了した、と思う癖を外すようにしましょう。大人同士でも然り、です。


★3:後始末ができたら必ず評価

 ★1であげたよう、本人に後始末(の一部)をさせた後は、必ず評価をするようにしましょう。行動は評価されなければ強化されません。かといって、手放しで褒めることでもありません。(行動としては、「困った行動」の後始末を単に自分がしたに過ぎませんからね。)手放しで褒めすぎると、「困った行動」が頻繁になる恐れがあります。ですから、淡々と冷静に評価してください。評価のボルテージの匙加減は、対応を繰り返しながら掴んでいってください。


★4:後始末完了後は、話を蒸し返さない

 これは鉄則です。後始末が終了したら、もうその話は終わりにしましょう。その時子どもにあるのは、“(後始末を)した”という事実のみで、その原因まで遡ることはできません。因果関係を理解するのは非常に難解な認知システムの操作が必要です。因果関係が理解できていれば、「困った行動」を繰り返しは起こさないでしょう。

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「困った行動」はなぜ起きてしまったのでしょうか。
起こしてしまった子は、何かを伝えようとしていませんでしたか。

そもそも、誰にとっての「困った行動」なのでしょうか。
大人にとっての「困った行動」には、子どもからのメッセージがいっぱい詰まっています。
その子にとっての「困った行動」は、早く軽減させてあげたいものです。

一口に「困った行動」といっても、様相は様々です。ですから、カギカッコをつけて「困った行動」と表記しています。

What、When、Where、Who、Why、Howの最低限5W1Hの視点でその行動を一旦整理して、的確且つスムーズな対応策を考えたいものです。

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