うそっぽい?ウクライナ報道

連日、いらんコロナ感染拡大の報道と一緒にウクライナ情勢緊迫!!と騒がれていますね。

しかし、ニュースを見ているだけではどうもよくわからない。

「ウクライナ周辺になんでロシア軍が?

                 NATOの拡大がどうしたって?」

報道では極悪のロシアがウクライナへの領土拡張をもくろんでいるところを、欧米諸国が結束して阻止しようとしている、というロシア:悪、欧米:正義の図式となっている。

こんな単純な図式ばかり繰り返されるときは、まず疑ってかかるのが正しいと思う。

ということで、調べたところを少しばかりnoteにまとめてみました。
備忘録です。

実は先月下旬の時点で下記「ロシアが正義」という論説が気になっていた。びっくりである。

田中宇:ロシアは正義のためにウクライナに侵攻するかも(20220124)

これによれば

・ウクライナ西部は(ウクライナ語を話す)ウクライナ人が多く、東部は(ロシア語を話す)ロシア人が多い。(クリミアもロシア人が多い)
・2014年オバマ政権のとき、米英諜報界の策略によりウクライナ政府は親ロシアの政権から親アメリカ反ロシアの政権にかわった。
・それ以降、東ウクライナの自治権はなくなり、ウクライナ政府軍と東部のロシア系住民の内戦となった。
・東部のロシア系住民を支援するのがロシアの正義
NATO加盟国への攻撃は全加盟国への攻撃とみなし、加盟国はただちに事実上の”反撃”をすることになっている。(ちなみに日米安保では"反撃"ではなく自国の法律に従って"対処"するということになっている→"対処"は兵力の使用を含むのかどうか、何も規定されいない)
・だから、米国がウクライナのNATO加盟の可能性をちらつかせるのは、ロシアに"未加盟の今のうちにウクライナに侵攻した方がいい"と言っているのと同じとも考えられる。

ロシアもアメリカも、もちろん日本だって「正義」とは無関係と思えるが、それ以外の点についてはそういうこともあるかも(?)という気になる。
そもそも、一般の報道ではウクライナのNATO加入を阻止することがロシアの目的だとされている。ロシアの安全保障上の関心事ということだが、これだけならウクライナ包囲はNATO拡大の口実になるわけで逆効果であるはず。ロシア系住民保護がウクライナ包囲の理由だという方が理にはかなっている。

ということで、傍証があるかどうか調べてみた。

NATO拡大について

調べると1990年、東西ドイツ統一にあたってアメリカのベーカー国務長官(当時)がソ連のゴルバチョフ書記長(当時)に「NATOは今後東側には1インチたりとも拡大しない」と約束したという話が出てきた。だとすれば、「NATOはどの国でも希望すれば加入できる」とする今のアメリカは2枚舌ということになる。

しかし、どうもこれは口約束だけで文書としては残されていない、というのが真実なようだ。(リンクはyahooニュースなのでそのうち消える・・・)

90年代以降、この約束に反してNATOにはポーランドやチェコが加入している。上記記事によれば、ロシアの首脳はこのことについてフラストレーションをためていたのは事実らしい。

内戦ってほんと?

もうひとつ、ウクライナ東部は本当に内戦状態だったのだろうか?

(先の記事の田中宇氏に言わせれば英諜報界の傀儡であろう)BBCのサイトの下記記事では昨年2021年4月付で記事は「(内戦により)これまでに推定1万4000人が死亡している。」と結ばれている。どうやら内戦は本当のように思える。

ウクライナ東部で軍と分離独立派の緊張高まる、ロシア高官が介入の可能性を示唆

感じること

気のせいかもしれないけど、トランプが(とりあえず)去り、バイデンになってからマジで戦争っぽい雰囲気がでてきたような。

・バイデン政権発足すぐに中国の台湾武力進攻がとりざたされる。それと前後して、なつかしやアーミテージらネオコンが台湾訪問。
・一時おとなしかった北朝鮮がここにきてやたらミサイルを連発。
・壊滅したとされていたISがなぜか復活。
・そして一触即発の気配のウクライナ

元外務省国際情報局長の孫崎享氏は次のようなtweetをしている。

「中露首脳会議。中国は台湾、ロシアはウクライナ問題を抱える。主張は両者真逆。台湾では、中国は住民の意志ではなく、領土の一体性を主張。ロシアはロシア系住民の意志を尊重し分離支援。だが「米国の過去の合意の無視」に強く反発し、これが両国関係の接着剤。」


口約束とはいえ、NATOについての約束をどうやらアメリカは反故にしてきたようだ。また、米中国交正常化の際に約束した「ひとつの中国」はトランプも無視の構えっぽかったが、バイデン政権になってからが明らかにあからさまだ。(もちろん、自分は台湾は中国に併合されていいなんて1mmたりともおもってないが)

なお、2014年、ウクライナ新ロシア政権転覆→親米政権誕生時に活躍したのが、現国務次官のヌーランド氏だという。彼女に言わせれば、平和ボケしたEUはクソだとか。

現時点での結論

1.ロシアのウクライナ自治支援は権益拡大の意味もあるだろうが、ロシア系住民の保護も目的のひとつと考えてよさそう。
2.アメリカはご都合主義。過去の約束をあちこちで反故にしている。
3.2014年以来現在に至るまで、ウクライナの緊張をあおっているのは控えめにみてもやっぱりアメリカ。今、それを進めているのはリベラルな印象をまとったアメリカ民主党。目的は軍産複合体の利益か?
4.少なくとも自分の接する日本のメディアのいってることは、やっぱりほとんど信用できない。大切な事実の隠蔽、そして印象操作がひどすぎる。

自分の素朴な印象をいえば、オバマやバイデンは軍産複合体の(ほぼほぼ)忠実な代理人のように思える。トランプはトンデモだとは思うけど、彼の時代、少なくともそのエキセントリックな発言とは裏腹に「今」よりも世界は落ち着いていた、と思うのだな。


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